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「カイザー、、!!世一が、、!」
「は、?」
「おい、お前集中足りてねぇぞ」
「…は?いやいつも通りだろ」
「ボールも追えねぇやつが立ってんじゃねぇよ」
「だからいつも通りだって!!なんなの急に?」
「あ?お前いい加減にしろって 」
「いやこっちのセリフな?」
このクソ双葉野郎が
俺たちはこう見えても恋人関係にある
だが、サッカー関係になるとどうも上手くいかず最近は喧嘩ばかりだ
「もーいいわ、先帰る」
世一は明らかに不機嫌な顔をして背を向けてしまった
今日はふたりで自主練しようと言ったはずだが
俺も帰ろうか迷ったがなかなか同じ家へと帰る気にはなれず、1人で残って自主練をすることにした
そして、そこから30分後ほどだろうか
そろそろ切りあげるかを考えていた時、ネスが走りながら入ってきた
「うぉ、お前まだ残ってたのか、」
「カイザー、、!!世一が、、!」
「交通事故で、病院に運ばれたと……」
「は、?」
「とにかく病院へ向かってください!!!」
「○○病院です!!!早く!!」
「……っくっそ、、!」
ネスに片付けを任せ、俺はユニフォーム姿のまま上着を手に取り必死に走る
あいつが、事故、
ネスがなんて聞いたのかは分からないが、あの表情は軽い怪我などではない気がする
「世一、、、!」
俺は必死で病院へと向かった
「っ、はぁっ、あのっ、、!!」
「いさぎ、、っ、よいちは、、!」
「潔さんですか?こちらへどうぞ」
看護師につれられて手術室の前へと案内される
「潔さんの、……」
「恋人です、あの、世一は、、」
「…世一さんは現在極めて危ない状況です」
「脳を強く打ったので、…」
「もうかれこれ1時間手術室へと入っています」
「……………………」
「…手術がおわるまで、こちらのイスでお待ちください、」
手が震える
暑くは無いはずなのに汗が顔を伝う
「っ、はぁ、……」
振り返れば俺は世一に謝罪をしたことは何回あっただろうか
喧嘩ばかりで、いつも謝ってくるのは世一だった
俺が好きなスイーツを買ってきてごめんと謝ってくるのが世一だった
なんであの時またカッとなってしまったんだ
頼む、あの会話が最後になんてならないでくれ
手汗で湿る手を俺は力を込めて握った
すると手術室のドアが開いた
「……!!!あの、世一は、、!!」
「…潔さんの一命は取り留めました」
「…あ、っ、……よかっ、た、…..」
思わず膝から崩れ落ちそうになった
「ですが、昏睡状態に入っているのでいつ目を覚ますかは分かりません」
「病室に運び次第お呼びしますのでもう少しお待ちくださいね」
「っ、う、っ、」
あぁ本当に良かった
俺は張り詰めた糸が切れるように涙が溢れた
あのばか世一
オレをクソ不安にさせやがって
起きたらこてんぱんにしてやる
そこから世一が目を覚まさずに2週間が経過しようとしていた
「世一〜、調子はどうだー?」
「まだ寝てる、か、…」
俺は世一の心電をじっと見つめる
「……世一、起きてくれ、…」
生きてるとは分かっていながらも何度来ても目をつむる世一を見つめるのは辛い
「俺、世一が、いないと、…」
世一の手をぎゅっと握った時、
「………」
世一の目が、開いた
「………!!!!世一!?世一!!」
「……かい、ざー、、?」
「…あぁそうだ、!!今先生呼ぶからな、、!」
「うん、特に異常なしだね」
「あの、俺どのくらい眠って…」
「2週間くらいかな?」
「潔さんの場合だと半年くらい目を覚まさないこともあるから早い方だよ」
「なるほど、…」
「あと2日ぐらい様子みて退院しようか」
「はい、ありがとうございます!」
がらっと扉を開け先生と入れ替わって病室へ入る
「…世一、、!!」
「あと2日ぐらいで退院できるって」
「…、よ、かった、…」
「心配かけてごめんね」
「…ほんとはあの時、カイザーにケーキ買っていこうと思ってて、」
「開いてるケーキ屋さんどこかなってスマホで探してたら車突っ込んできて、…..」
「 …………世ー、ごめん」
「今回だけじゃなくて、今までも、」
「 …..すまなかった、」
「..え?笑なになに急に笑」
「…世一がいない日々にはもう戻りたくない」
「何度もあの会話が最後だったらどうしようと考えた」
「世一のいない家に帰るのはクソ億劫で、…もう何日も帰っていない、」
「は!?お前、その間どこで、…」
「…ネスの家」
「え、ちょ、…ネスにもネスの生活があんの!迷惑かけんな!」
「…ネスはいいって言った」
「そういう問題じゃない、!!!」
「……世一ほんとうにごめん」
「…笑もういいよ笑おれもごめん」
「はい、仲直り」
世一が小指を出す
「…あぁ、」
「うは笑 俺ら小学生みてー笑」
「…………」
「世一、」
「なn…んむっ!?」
「愛してる」
「…お前、そういうのは家でやれー!!!!」
そこから2人が喧嘩することはなくなり、常にラブラブカップルとなりチーム内を騒がせたのでした
END