プぅーーーーン
青空にサイレンが鳴り響いた。空襲が始まった。
母「マサキ〜空襲がきたわよ〜」
母さんの声がした。また今日が始まってしまうのか、もう嫌だ。こんな世界なんて…。
当たり前のように過ごしていた日々がいきなり死と隣り合わせになるなんて誰も想像していなかっただろう。
マサキ「はぁ…またか、また空襲か。」
マサキ「こんなことになるなら、空襲で死ねばよかったわ」
つい、こんなことを行ってしまった。
母「何言ってんの!!」
パチン!母のビンタだ。空襲が起こってる中、僕は母の怒りを最初に喰らってしまった。
僕、マサキは家族5人で暮らしている。母、父、弟のゲンタ、妹のさき、ばあちゃんの5人で暮らしいる。
弟のゲンタは小学3年で妹のさきはまだ保育園児だ。だから僕が兄弟の面倒を見ないといけない。
母「ゲンタ!水をくみに、井戸まで行ってきて 」
ゲンタ「わかったよ….。」
ゲンタは防空頭巾を頭に被り井戸の方へと走っていった。
ゲンタが井戸に行って10分がたった。
マサキ「ゲンタ、帰ってくるの遅くないか?」
母「そうねぇ。心配だわ…。」
流石に心配になったマサキはゲンタが向かった方へと走っていった。
マサキ「ゲンタ〜、ゲンタ〜!!どこにあるんだぁ〜?返事しろぉー!」
いくら叫んでもゲンタのいる気配がない。
マサキ「?!こ、これは、ゲンタの服だ。」
ゲンタが着ていた服が落ちていた。
マサキはゲンタの服だと確信した。
少し歩くと、建物が崩れ荒れ果てた場所に出た
そこには、沢山の人の死体が転がっていた。
マサキ「ゲンターゲンター!」
声が枯れるまで叫んだ。
マサキ「おい、、ゲンタじゃないか!」
マサキの視線の先にはゲンタの生首が転がっていた。
マサキはゲンタの生首を抱えた。
マサキ「ゲンタ。何で、、何で、生首だけなんだぁぁぁあ!!」
マサキの瞳には涙が溜まっていた。
するとそこに、母が後ろから走ってきた。
マサキ「…母さん…ゲンタがぁ、、」
母は僕をなぐさめるように背中をさすってくれた。
マサキは生首を元にあった場所に置き。歩いてきた道を戻って行った。
マサキ「母さん、、ゲンタ、人生楽しかったかな、、。」
母「きっと。きっと、楽しかったわよ。」
母「マサキ、。ゲンタの分まで生きようね」
マサキ「うん….。」
この時、マサキの心の中で戦争に対する気持ち
が沸き始めた。
家に帰って、父と妹とばあちゃんにゲンタが亡くなったことを言うと、父は無言のまま寝室に戻っていった。
つづく