ピーんポ〜ん ピーんポ〜ん
チャイムが家の中で響き渡った。
母「こんな、朝から誰よ〜。はぁ〜い今行きま〜す。」
ガチャ。ドアが開いた
母「はぁーい。なんのようですか?」
配達員「手紙が届いています。」
母「ありがとう…ごさいます。」
赤い紙が送られてきた。
母はその紙を引き出しに入れた。
母「ご飯よぉ〜」
マサキ「は〜い」
さき「わかった〜」
家族全員が食卓の机を囲んだ。
その時、母が話を切り出した
母「実は、今朝、、。赤紙が届いたの。」
マサキ「?!」
さき「え、。」
ばあちゃん「!」
マサキはすぐに父の顔を見た。
父は無言だ。だんだん父の顔が険しくなっていく。
母「宛先は、、お父さんよ。」
マサキ「行かなくていいよ。父さん!もう家族を失うのはもう、嫌だ!」
父「黙れ!これは日本のためだ!」
マサキ「日本はどうせ負ける!行ったら、父さんが、、。」
父「まだ死ぬと限らない!!日本のために死ねることはいいことだ!」
マサキ「そんなこと、ねぇよぉぉぉお!!」
マサキは机に並ぶ皿を蹴り飛ばし家を飛び出していった。
母「マサキ!!待ちなさい!」
父「……。」
マサキは泣きながら走った。行く先もわからず、どこか遠くに逃げたかった。
マサキは川原まで行くと座り込んだ。
マサキ「やっぱり、、戦争に行くなんて死にに行ってるようなもんだ。」
マサキは川原にある長細い石をもって水切りをした。5回跳ねた、そんなことで楽しめる世界になればいいとマサキは思った。
そんなことをして辺りを見渡すと暗くなっており、8時になろうとしていた。
マサキ「もう、夜か、、。そろそろ帰らないとな….」
マサキはそう思うと来た道を戻った。そのときだ、、
プゥゥーーーーん プゥーーーーん
空襲のサイレンが鳴った。
マサキ「やばい。空襲がくる、、。」
マサキは自分の心配よりも家族の心配の方が強かった。
遠くの方の森が赤色に染まっているのがわかった。
マサキ「このままだと、死んでしまう」
街まで帰ってきたマサキは普段見ていた酒屋が燃えていた。
マサキ「俺の家がやばい。」
そう言うと全速力で走った。
家の前まで帰ってきたマサキは家が燃えていることを知った。
マサキ「母さん!!さき!!!ばぁちゃん!!
父さん!!」
泣きながら叫んだ。だか、応答はない。
マサキ「母さん!!父さん!!」
マサキ「母さん……」
叫ぶのに疲れたマサキは地面にうつ伏せになった。そのときだ、、。
母「マサキ!!こっちよ!こっち!」
母の声のする方を見ると父とさきとばあちゃんもいた。家族4人とも無事だった。
マサキは泣きながら母の胸に飛び込んだ。
マサキ「泣」
母「もう!どこに行ってたのよ!心配したのよ。」
マサキ「…泣」
マサキは泣きすぎて何も話さない。
マサキは泣き疲れてそのまま眠りについた。
つづく
コメント
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素晴らしい作品ですね