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#シクフォニ
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橙色の教室
すちみこ
ちょーぜつ短編
ー
ノートを掠るシャーペンの音が静かな教室に反響する。オレンジ色に照らされた君の横顔が時の流れを知らせてくれる。
「すちくん、ここってこの公式だっけ?」
「んーっとね、ここはこっちの公式かな、」
手早くペンを走らせ、眉間に皺を寄せる君。
かれこれ半刻以上はこの状態、
そろそろ下校時間になってしまう。
「この問題終わったら帰ろっか、。」
ーーーー
「やっと終わったぁっ!」
背伸びをしながら唸る君が愛おしくて、ふっと微笑みながら手を伸ばす。
優しく、割れ物を扱うように頭を撫でてやる。
それだけで君はすぐ笑顔になる。
ーもっと見たいな。
「んふっ、」
無意識に漏れた笑い声。
不思議そうに此方を見つめる瞳がきらきらと光る。
ーかわいい。
一度は離そうとした手を再び動かし、
さっきよりも長い間撫でる。
俺に身を任せ、されるがままにされている姿が小動物のようで、なんとも可愛らしい。
「すっちー!」
「ん?」
何かと返事をする間も無く、君は俺に抱きついてきた。普段ここまで甘える事のない君が?、そんな事を考えていたら照れてしまう。顔が赤いのも夕日のせいにしてやりたい。
ニッコニコの笑顔で苦しいくらい抱き締めてくる君に負けてしまったようで、ちょっとだけ拗ねてみたり。俺が彼氏なのに。
「みこちゃん、」
抱きついたまま上を見上げる君。
完璧な角度の上目遣いがずるい。
少し抱きしめる力が緩まった瞬間を狙って__
「ふぇっ!?」
君の唇にそっと口付けをする。
一瞬で赤く染まった君の顔は夕日のせいだと言い訳するには不自然なくらい。
さっきの余裕は何処かと疑うぐらいあわあわしている。そんな所も愛おしくて仕方がない。
「好きだよ、みこちゃん。」
ーfinー