視点 りうら
ないこ「あっ、起きた??」
りうら「ん、ん゛ぅ。」
どうやらないこさんがここまで連れてきてくれたようだ。地べたに寝かされていたようだが、命の恩人なんだ。贅沢言ってられない。
ないこ「調子はどう?」
りうら「少し、体が重たいです。」
ないこ「ははっ!だろうね笑」
きちんとお礼をするために立とうとした。が
ジャラッ
りうら「ぇ??」
俺は鎖に繋げられていた。足首に巻き付いた足枷から鎖が伸び、部屋のすみにある大きな釘のようなものに繋がっている状態だ。到底動けるような物じゃない。
ないこ「ああ、ごめんね?重たいでしょそれ。取ってあげたいんだけどねぇ、。」
相変わらずの張り付けた笑顔で出来た人当たりの良い表情でこちらに話しかけてくる。
そもそも自分はどうして拘束されているのだ。
りうら「その、これは一体…」
ないこ「ん?何が??」
嘘だろコイツ。この状況の可笑しな所に気づいていないのか!?
りうら「俺はどうして拘束されているんですか??」
一向に話が進まないから、思いきって聞いてみた。
ないこ「え?どうしてって、‘‘人狼を野放しにする奴、居る?’’」
?、何を言って居るんだ…??人狼??全くと言って良いほど心当たりがない。
??「はいるでー」
ガチャ
??「うわっ!?ないこ!!お前なに子供虐めてんねん!!!」
ないこ「えぇ!?言われた通り狼捕まえて来ただけじゃん!!」
はぁー、頭痛くなって来た。と言い残して、髪の長い男性は部屋を出ていった。と思ったらすぐに戻って来て、器用に片手のみで俺の足枷と牢屋の檻を開けてくれた。
??「ごめんな??…うし!!これで取れた!」
悠佑「俺ん名前は悠佑!アニキって呼んでや!!これ、口に合うとええけど…」
そういって悠佑さん…あにきは俺の前に右手で持っていた暖かいスープの入った皿とスプーンを置いてくれた。
おそるおそる口にすると…
りうら「…美味しい…。」
ポロポロ
悠佑「💦!?」
ないこ「へぇ~、」
いろんな事が起こりすぎて、体はもちろん心も限界だった。
悠佑「おい、大丈夫か!?やっぱ口に合わんかった??💦」
ないこ「ねえねえ!!どんな感じ!?美味しい!?美味しくない?!もし良かったら生肉とか食べて見ない!?血も飲んでみると良いよ!!やっぱ人肉が良いよね??どーしようかぁ、俺の腕食べる!?良いよ!!2本あるしちょうど良い!!」
ないこさんが目をキラキラ輝かせながら俺に近づいてくる。
いやまじで近いな
りうら「いや、不味い訳じゃ無いんです。むしろ、こんなに美味しいの初めてで、なんだ安心しちゃって、。」
悠佑「…そかそか!!そりゃ良かったわ!おかわりもあるで!たくさん食べ!」
りうら「ありがとう、」
その後も軽く談笑をしながら食事を取り、気づいた事がある。
彼には感情が無い。正確には、快か不快でしか自分以外の者を測れない。
ないこ「ねぇりうらぁ~?俺はね?ぜぇーんぶ知ってるの。知識として、でも、その全てを実際に味わった事は無い。」
…それがなんだというのだろうか???
てかやっぱ距離が近いッ!!
ないこ「だからね?俺は体験してみたいの。全てを。不老不死になりたい!」
りうら「何故、不老不死に??」
ないこ「だって、不老不死になればどんな事を試したって生きてるでしょ?」
りうら「…でも、ひとりぼっちです。」
ないこ「あー、、りうらさ、‘‘俺も死ねば良かった。’’とか思ってる??」
りうら「そんなこと…、」
嫌、もしここで死にたい。と素直に言えば全てに感心のあるこの人は殺してくれるかもしれない。もう俺に生きる理由などないのだから、せめて人の役に立とう
りうら「、、うん。」
ないこ「…なにそれ、つまんな」
ないこさんの纏う雰囲気が変わる。怒っている…??すぐ横にぴったりくっついていたのに、向かいの席へ移動してしまった。
ないこ「お前は屍なの??違うよね?村の皆が大切だったんじゃないの??復讐したいとか思わない訳?」
…そうだ。俺の大事な人達は、何も勝手に死んだんじゃない。何者かに‘‘殺された’’のだ。許せない。許すものか。
絶対見つけ出して、ぶっ殺してやる…!!
ないこ「りうらぁ~♥️!!」
口に出ていたようだ。
ないこの顔がパァっと明るくなって抱きつこうとしてくる。俺はそれをかわしてお願い、いや、決意表明をした。
りうら「いつか奴を殺す為、俺をここに住ませてくれませんか。」
……
ないこ「イテテ、、もちろん良いよ!!敬語もやめよ!俺の周り年上ばっかでやんなってたんだよねー!!お兄ちゃんみたいに思っても良いよ?」
ぶつけた頭を気にしながらも、了承の意を表してくれた。
りうら「解った。…ないくん」
ないくん、シンプルだがしっくり来た。今日からこう呼ぼう。
今日いまここで、俺は始まったのだ。奴を殺す為なら、なんだってしてやる。
ないこ「…ごめんねぇ、、りうら。でも、気になっちゃったからさ。お前の事」
コメント
3件
裏話!! 🍣さんの行動原理は快か不快。それは今も昔も変わっていません。ですが、😜さんの‘‘とある言葉’’がきっかけで、自分も周りも大切にし始めた様です!! 🍣「うぅわぁ、、昔の俺キショ、、。」
熱いッ!!!✨やっぱりめっちゃ好きッッ!!!✨🥰