TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

後日、 またあのときと同じ猫が迷い込んできた。

「また来たの」

陸は作り終わったドリンクを持って体育館に戻ろうとしていた。

仔猫を見て、陸はある人を思い浮かべた。

「なんか君、あの学校の…あの子に似てるよね」

人懐っこさと何度も迷い込むアホさ。そして、小ささと毛色の明るさが似ている。

「烏野の…日向君に似てる」

荷物を一旦置いて撫でる。頭を擦り付けてくる姿は「もっと撫でて」と言っている様だった。

陸は少し考えて言った。

「そうだ、君の名前は翔陽にしよっか」

嬉しそうな鳴き声を上げてくる翔陽をもう一度撫でる。

「さて、そろそろ行かないと」

一度置いた荷物を持ち、体育館へと急ぐ。

翔陽は陸の後を付いてきた。

「…来たいの?」

答えるような声を出し、今度は体育館に入って来る。

「危ないから、邪魔しないようにね」

分かっていると言うように鳴き声をあげ、翔陽はボールで遊び始めた。

「あれ、あの時の猫じゃないですか」

金田一が言うと、陸はドリンクを渡しながら言った。

「そう。翔陽っていうんだ」

「なんか、烏野の十番を彷彿とさせる名前ですね」

「だってあの子に似てるんだもん」

金田一は「確かに…」と返しながらドリンクを飲む。

すると、足元に翔陽が寄ってきた。

「撫でて~って言ってるみたい」

笑いながら言うと、どこから湧いたのか。及川がやって来た。

「陸ぅ~」

「今翔陽撫でてる」

「翔陽?」

「うん、この子」

「何であえてその名前…」

及川は頭を抱え始めた。

(どうしたんだろ)

陸は翔陽の肉球を及川の頬に押し付けた。

及川が驚いたような顔をして陸を見ると、陸は「えへへ」と笑って言った。

「元気になった?」

その時だった。

陸の視界は及川でいっぱいになり、唇に何か柔らかい感触がぶつかる。

「!?」

すぐに感触は離れたが、及川も戸惑っているようだった。

「徹君、今…」

真っ赤になった顔で呟いた陸はすぐさま翔陽で顔を隠した。


どくどくと、煩すぎる程に心臓が脈打っていた。

徐霊のできる幼なじみ

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

14

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚