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「2号室から、毎晩光がさしているらしいんだ」

「月光かなんかだろ?たぶん」

2号室は日当たりのいい場所にあるから、昼までもよく太陽の光が窓から差し込むし、病院の誰かが怪しい光だと勘違いしただけの可能性がある。

しかし『光がさす』なんてのは、月明かりにしては、奇妙な表現の仕方だ。

何か、ある気はする。

「それでさ」

篠原は続けた。

「幽霊がいたら“やっつけて”欲しいんだ」

僕は「はぁ」と、ため息混じりに、やるせない気持ちでいっぱいになった。

「ムリムリ。『幽霊退治』を頼みたいなら他の人間をあたってくれ」

正確には、退治できるが、したくないというのが正直な答えだった。

死後の世界と『第二の人生』の存在を知って、幽霊との接し方がわかる前までは、さほど気にはならなかったが、幽霊を退治している僕にとって、あまりいい感覚じゃない。

幽霊退治なんて、人殺しと同じだからだ。

「ボクは、幽霊退治の専門家じゃない。あくまで、霊体に第二の人生を歩ませるために改心させるだけだ」

「ふぅん…じゃ、それでいいよ」

やっぱり、こいつ。

「おまえ、何にも考えてないだろ?」

「うん」

うんって。

ずっと、四季町病院の前で棒切れみたいに立っているわけにもいかないので、僕らは四季町前の喫茶に入った。

カフェイン臭さが苦手なボクには悪いが、僕は喫茶の雰囲気が落ち着く。しばらくは我慢してもらおう。

幽霊探偵なんてやってられるか

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