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よくあるトラ転したら最推しが話しかけて来たぁ‼・改(※新しい方です‼)
第13話 - 第14話 え、先輩、これが最後の稽古ですか?呆気ないなっ‼/ライオスとウンベール許さん‼絶対にぃ‼
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2023年03月17日
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どーも、wakaです。ここらへん平和で好きなんですよねぇ…ライオスとウンベールは爆ぜろ。
それでは、どうぞ〜‼
ア「これで、最後…‼」
目の前の美青年はそう言いながら剣に力を込めた。鍔迫り合いの体勢になり、私も余裕そうに笑った。
ミ「そうです、ね」
ア「本当に早かった」
ミ「…余裕、ですか」
試合中にも関わらず、まるで記憶を辿るように目を細めた先輩に私は言った。すると、最近私に見せるようになった悪戯な笑みを浮かべる。
ハロー‼アイアムミオ‼あのライオス達に絡まれてから数ヶ月。それからも何度かちょっかいを掛けられたが、全部スルーした。時々キリト達もなんか言われていたから、声をかけるなどしてさり気なく牽制していた。(この話はSSで‼)アイツら懲りないんだこれが…本当に…。
そして、今日は傍付き練士最後の稽古だ。ザッカリアを出たときと比べるとかなり技も習得したし、体力とか力も上がった。けど。
ミ「先輩はどうして、私よりも力が、強いんですか」
剣に全力をかけているからか言葉が途切れる。しかし、先輩は滑らかな声で言った。
ア「経験。あと、気持ちの力」
ミ「気持ち…」
ここでいうイメージ力だと思う。じゃあ、アーリン先輩はどんなイメージをしているのか…、それは何ヶ月も稽古をしているから分かった。
自分に降りかかる圧力。
アーリン先輩は伝統あるブレイド家の長男だから、自分も強くならなければっていうプレッシャーがかかっているらしい。さらに、小柄だからという理由で色々と親や親戚、兄弟にも色々言われたらしい。この話を先輩本人から聞いた時、思わず「は?」って言っちゃった。いやいや、こんなに強いんだよ‼
――過去に先輩が言っていた。
ア「時々父上とはいい勝負をするけど、だからこそ僕は妬まれている…努力もしないくせに」
どんなに恨まれていても軽蔑されていても、次期当主になるために。そして、兄弟や家族を見返すために。
ミ「私も、気持ちでは負けないはずなんですけど」
ア「…それ」
ミ「え?」
先輩は急に鍔迫り合いの体勢を解き、剣を下ろした。剣を構えたまま唖然としている私に近付き、指さした。
ア「ミオは、『はず』とか『多分』とかが多い。だから、気持ちが確立しない」
思い起こせばそうなのかもしれない。そう思うと、私はいつも曖昧な言葉だったと分かる。腑に落ちた感じがして、私もゆっくりと腕を下ろした。
ミ「そう、ですね」
ア「負けないって、念じることで自然と自分は強くなれる。修行は必要だけど」
最初からしてみれば増えた会話。でも少ない言葉。だけど、その短い言葉は私の心にすんなりと入り、心の中のわだかまりを簡単に溶かしてしまった。そう感じると、自然を笑みがこぼれた。
ミ「ありがとうございます。それが、先輩の最後の教えですね」
ア「…うん」
小さな動作で頷く先輩は、今思い出したかのように「あ」と言った。え、何かありました?
ア「僕がミオを選んだ理由」
ミ「あ、そういえば一度も言われたことないです」
ア「不思議な目をしてたから」
ミ「へぇ〜…え?」
不思議な目?ナニソレ。そんな目してたっけ。心当たりないんですけど。私が頭を捻っていると、アーリン先輩は淡々と言葉を続けた。
ア「なんか、決意が見えた。だから興味が湧いた」
ミ「決意…ああ」
なんだ。ユージオ絶対助けるって念じてた時の目か。そう分かって、私は1人で納得した。先輩は頭に「?」を浮かべてるけど。
ア「何?」
ミ「教えません」
ア「チッ」
そういった途端先輩は剣を構え、斬りかかってきた。なんとか攻撃を防ぐが、一歩下がる。それでも、先輩の猛攻は止まらなかった。ねぇ、性格変わりすぎじゃない?普段はそんな事言いませんよね?あの?
熱くなりすぎでしょ先輩…。
その後、私は見事に先輩にメッタメタのギッタギタにされた。
うぅ…。先輩最後の最後まで手加減なしって…、先輩らしいけど。
そうして、肩をさすりながら初等練士寮の廊下を歩いていく。そして、正面にある入口のドアを押し開けると、カウンターの奥に居る女性と目があった。そのまま右手を心臓付近にあてがい、左手を柄を握るようにして腰にあてる。
ミ「ミオ・マルウィス初等練士‼ただいま帰着しました‼」
アズリカ「…お疲れ様です」
エントランスホールに居るアズリカ女史は、手元にある本から視線を外しはっきりとした声で言った。そしてもう一度視線を本へと落とす。この人も美人なんだよなぁ。そんな事を頭の中で考えながら寮の大階段をゆっくり上る。自室に入ると、部屋には誰も居なかった。キリト達が来るまで…もう少し時間あるか。ちょっと復習しておこうかな…いやぁ、面倒くさいなぁ……。
ミ「……やっておこう…」
そう心に決めると、私は一番苦手な熱素の練習をする。実は得意な素因(エレメント)が凍素なんだよ‼意外と相性合った‼まぁ、だからといって神聖術が得意というわけでは無いけれども。
そうして自分の人差し指とにらめっこし始めて数十分が経った時だった。コンコンと部屋の扉が叩かれた。私が「はーい」と言って扉を開けると、そこには改めて見ると身長が伸びた推しがいた。
ミ「ユージオ、どうしたの?」
ユ「キリト見たかい?」
ミ「いや、見てないよ。そういえば、もう刻限は過ぎてるよね?」
私がそう指摘すると、ユージオは恥ずかしそうに目を逸らしながら言った。か、可愛い…‼神かよユージオ。神だわ。
ユ「うん。僕もゴルゴロッソ先輩と話し込んじゃって…二十分遅刻したんだ」
ミ「ユージオが?珍しいね」
真面目なユージオが遅刻とは珍しいと普通なら思っただろう。でもね!原作で!読んだんだよね‼あと十分くらいでキリト来るから大丈夫だよ‼なんてことは絶対に言わない。
ミ「キリトはそのうち来るでしょう‼大階段の前で待ってる?」
ユ「そうしようかな。ミオもまだ夕食を食べてないんだよね、一緒に食べないか?」
ミ「良いよ‼(え、推しとご飯⁉尊死一択なんですけどぉ⁉やっぱりファンとしてはありがたい!ご飯もファンサ!ありがとうございまぁぁぁす!)」
そして十分後。
ユ「あ、キリト!遅いよ!」
キ「ユージオ、ミオ‼悪い、待たせたな。リーナ先輩の稽古が特別版で…」
ミ「さっ‼食堂行こう‼そこでゆっくり聞かせてよ」
私達三人は階段を最高速度で駆け下りる。このまま食堂へ続く長い廊下を速歩きで歩いていった。
食堂にて
はい、遅刻しました〜‼でも食べます〜‼
ミ「やっぱりここのご飯は美味しい〜!」
ユ「それでも食べられる量は限られてるけどね」
ここのご飯は美味しい。これは本当だ。いやマジで美味しいし、多分レストラン始めたら大盛況だと思う。この世界では無理だけどね。
私が夕飯を堪能していた時、キリトが私に尋ねてきた。
キ「そういえば、ミオはアーリン先輩と何か話したのか?」
ミ「私の悪い癖と、私を指名した理由を聞いたよ」
ユ「えっ、悪い癖?キリトならともかく…ミオに?」
キ「おいユージオ君、それはどういう事だい?」
キリトがユージオをジトリとした視線を送るが、ユージオは動じない。そして私もそれに乗っかってユージオと話し続ける。
ミ「そうそう、言葉が曖昧だって。「多分」とか。後は、不思議な目をしてたからって」
キ「無視かよ」
ひでぇ、とキリトは傷ついた顔をするが、これでも楽しんでいるのだと私はこの二年間の生活で知っている。原作になかったよね‼これ‼ついに耐えきれなくなった私とユージオは食事中にも関わらず、肩を震わせて笑ってしまった。
ウ「まったく羨ましいですなぁ、ライオス殿‼」
しかし、想定はしていたが後ろから耳障りな会話が私の耳に飛び込んできた。
ミオ・マルウィス(18歳)
先輩との最後の稽古が意外と呆気なくて「…これで本当に終わりだよ、ね?」と半信半疑になっている人。ライオス達は許すまじ。
キリト(18歳)
先輩に秘奥義を見せることを約束した主人公。『夜空の剣』の事なんて頭から抜け落ちてる。最近ミオとユージオが同じ扱いをしてきて、「ミオ、慣れてきたんだな」と傷つくよりも嬉しく思っている。
ユージオ(18歳)
いつもは優等生だが今日だけ先輩と話し込んでしまい、20分遅刻してしまった準主人公(ヒロイン)。今までよりもミオと話す機会が増えた。嬉しいなぁ‼ってなってる。
ウ「…まったく羨ましい話ですなぁ、ライオス殿‼」
せっかく楽しい雰囲気だったのに後ろから耳障りな声が聞こえて、私達はうへぇ、という顔になる。
ウ「我らが汗水垂らして掃除した食堂に、後から悠々とやってきてただ食べるだけとは、いや本当に羨ましい‼」
ミ「もう喋んな」
私が小声でそう言うと、ユージオが諦めた様子で「抑えて、ミオ」と言った。キリトも目を閉じて我慢しているみたいだ。
ラ「まぁ、そう言うなウンベール。傍付き練士の方々にも、きっと我らにはうかがい知れぬ苦労があるのさ」
「「「……」」」
なんとか耐える。
ウ「ククク、それもそうですな。聞くところによれば、傍付きは指導生に言われるがまま何でもしなくてはならないそうですからなぁ」
我慢だ。我慢。私達は黙々と食べ続ける。
ラ「万が一、平民出だの、禁令持ちだのの指導性に付けられてしまった日には、何をさせられるか知れたものではないぞ」
私はその言葉に、我慢…できなかった。
ミ「ッ、ハァ?」
あ、やっちまった。思わず声に出しちゃった♪私の声にウンベールとライオスは驚愕した顔で振り向き、キリトは唖然と、ユージオはさらに諦念した顔で顔を手で覆った。周りの生徒達も何があったのか驚いているようだ。それでも、私はウンベール達に言い続ける。
しかし、ライオス達は直ぐにいつものムカつくニヤニヤ顔に戻り、私に言った。
ラ「ミオ練士。どうなされ「さっきの言葉」何か我らは無礼を働いたのかな?」
ウ「おい‼ライオス殿の言葉を遮るな‼」
ハァ?ふざけんな汚ぶt…ン゛ン゛、こんなこと言ったら駄目だよね、平常心平常心…になれるわけねぇだろ‼(こういってますが女子です)
ミ「先程申し上げられていた『平民出だの禁令持ちだの』と、私達の指導性を侮辱しているように聞こえたのですが。さらに、『後から悠々とやってきて』この12人いる傍付き練士の中で遅れてやってきたのは、私とキリト練士、ユージオ練士のみですので、明らかに私達への嫌味だと思うのですが」
そう言うが、ライオスは悪びれもせず外側だけの謝罪をした。
ラ「おや、聞こえていたのか。これは失敬。さて、行くぞウンベール」
ミ「逃げるのですか」
そう挑発する。すると、立ち上がりかけた2人は動きを止め、私を睨んだ。そのままライオスが言う。
ラ「その言葉、覚えておけ」
ミ「言われなくても」
私が売り言葉に買い言葉で言う。2人は再度立ち上がり、食堂から出ていった。私はふぅ、と肩の力を抜くと食事を再開した。周りの生徒もざわざわしつつも食事を始める。横では、今も目を見開いているユージオと、「よくやった」と悪戯な笑みのキリト。
ユ「ミオ‼もう、心臓が止まるかと思ったよ!」
この三白眼野郎が‼と心のなかでは叫んでいる。まぁ、ちょっとスッキリしたわ。あの人達って息するように嘘吐くよなぁ。
キ「凄いなミオ。ありがとう、あのままだと俺が爆発するところだった」
ミ「いや、私が好きでやっただけだから‼ささ、食べよう‼」
この時、私は気付いた。あ、やばい。この後ゼフィリアの花壇の所に行って、花を千切るんだった…‼
ミ「ごめん、私先戻る」
ユ「え、」
そういって、立ち上がる。2人が困惑した声で私を呼び止めようとするが私はくるりと背を向け、食堂の出口へ向かった。
ミオ・マルウィス(18歳)
ライオスとウンベールの撃退に成功…?ユージオとキリトに近づくなこの野郎、とは口に出さないが絶対に心の中で言っている。絶対に。ただいま花壇へ移動中。でも実は…?時系列を…?
キリト(18歳)
ミオが意外に怖かった。しかし、スッキリしたのでミオの胆力を高く評価している。今は、どうしたんだ、ミオ、の状態。
「ミオは怒らせないでおこう…」
ユージオ(18歳)
爆発するのはキリトだと思っていたが、ミオが怒ってアワアワの反面、勇気があると称賛している。今はミオ、どこ行くの?の状態。
「あのライオスとウンベールが…凄いなぁミオ」