付き合って初めてのお泊まりデート。
だけど僕にはトラウマがあった。
大ちゃんはお家デートが好きやから
これまでも何回か行ったことはあって
「このまま泊まってく?」
っていつも言われるけど
その度にやんわり断ってきた。
でも、もう大ちゃんと付き合っていく中で
段々と断る理由のレパートリーとかも
無くなってきた。
それに大ちゃんも負けじと
僕がいつ泊まっても大丈夫なように、
僕専用のお泊まりグッズ?まで
用意してくれてるみたいで、、
そんなん、もうこっちが折れるしかなくて。
「じゃあ今度の週末、、」
ってつい約束しちゃって。
嬉しいような憂鬱なような
初めてのお泊まり当日、
顔を合わせた大ちゃんは心なしか
いつもよりご機嫌、、な気がする。
いつも通り大ちゃんの家についたら
「あ、来たきた!」
「鍵空いてるから、入っていいで〜」
と言われ中に入れば
いつも通り引っ付いてくる。
そんな、
いつも通りのお家デートを楽しんでたら
「なあ、今日お風呂一緒に入らん?」
「嫌や!」
そう、つい反射的に答えてしまった。
ハッとして、大ちゃんの方を見たら
ちょっとびっくりしてて。
「ごめん、、今までお泊まり断ってたのも
理由があってん、」
「そうなん?」
真剣に話すと、くっついてたけど座り直して
話を聞こうとしてくれる大ちゃん。
本当なら話す気なんて無かったけど、
大ちゃんなら、
大丈夫な気がした。
「前に、付き合ってた女の人とお泊まりした
時にな、」
「すっぴん見て、『全然違うじゃん』って
笑われたことがあって、」
「はあ??何、その人めっちゃ最低やん」
「もちろん、大ちゃんはそんなこと言わない
って分かってるけど、心の中で思われたら
どうしようとか気遣わせて気まずくなるのも
嫌やし、何よりあの日からなにわのみんなに
もすっぴん見せるの怖くなっちゃって。」
「、、、」
「ほんとは今日も、お風呂上がった後に
ちょっとメイクして誤魔化そうとしてた」
静かに聞いてた大ちゃんは
僕の話が終わると、
「そうやったんか、、」
と、頭を撫でてくれた。
大ちゃんがそうしてくれて
少し時間が経った頃。
「でも、これからの事考えたら一緒にお風呂
入りたいし、せっかくやから
今日練習せぇへん?」
そう大ちゃんから言われる。
でも、流石に普通に一緒に入るのは
無理やったから、条件をつけた。
《条件》
1,脱衣所にある照明だけで一緒に入る事
2,そのとき大ちゃんはコンタクトを外す事。
この条件があれば、
とりあえず僕にも克服できるかもしれない
と思った。
「入ってええよ」
いざ一緒に入るってなって。
先に僕は身体とかも全部洗って
浴槽に浸かりながら、
脱衣所にいる彼に声をかけた。
そして、普通に入ってきて
シャワーを浴びてる大ちゃんは
ほんとに見えてないんやないかって
こっちが心配になるくらい
色々、出来てなかった。
(大ちゃん自身の家なのに、、、、、)
まぁ、そんなこんなで
大ちゃんはやっと身体を洗い終わった。
僕がいる浴槽に入る時に、
「足踏んでまうかもしれんから気つけて」
って言われて少し安心?した。
でも、転ばないか不安だから
大ちゃんの手を掴んで少し助けてあげた。
無事に浴槽に入れて、
2人でふうって一息つくと、
そのまま後ろから抱き締められて
捕まっちゃう。
「大ちゃん近いっ///」
見えない程度に少しだけ彼の方を向いて
そう言ったら、、
簡単に大ちゃんの方を向かされて
キスを落とされる。
「もしかして、、見えてる?」
「口の位置くらいは分かる」
「ここがおでこ、ここが耳、んでここが口やろ?」
言われた順番で優しくその場所にキスが
降ってきて恥ずかしくなって
また背を向ける。
「なあに、その反応も可愛い」
「ばかにしてる、、」
「なあ怒るかもしれへんけどさ、
最初にキスした時から流星の可愛い顔
ちゃんと、見えてたで」
「え、待って///」
急いで顔を隠すけどもう遅くて。
「言うとくけど、可愛いのも嘘ちゃうし
、今まで俺に笑いかけてくれてた顔も
事故やけど見えてもうたすっぴんも
俺は好きやで」
「あ、でも顔だけちゃうで?流星が透明人間
とかでも好きな自信ある!普段流星は
言葉足らずやったりツンデレやったり
するけど、本当はいっぱい俺のこと考えて
くれてるの、知ってるから
話しかけてくれるだけで嬉しいんやで」
「もう分かったから/////」
「、、大好き///」
大ちゃんはまだ話しそうな勢いやったけど
思わずこっちの気持ちが溢れ出して、
向き直して正面から抱きつく。
「ん、伝わった?」
「たくさん伝わった///」
愛情表現が苦手な僕と得意な大ちゃん。
正反対な彼の言葉は僕のトラウマを克服する
世界一優秀な治療薬なのかもしれない。
__end…
…just a little bit more
-Daigo side-
「伝わってるなら、良かった、、笑」
「、、俺は」
「どんな流星でも愛してるからっ♡♡」
「僕も、////」
どんな君でも愛するから。