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天気のいい日の今日、牢屋で一人本を読んでいる色素男に声をかけた。
「…ねぇ」
「うわあぁ!!!」
「ごめん(即答)、これあげる」
驚くのはなんとなくわかっていたので、素早く本を渡す。
「…これは」
「このシリーズ持ってたよね?」
以前気を見て本棚を盗み見て集めているシリーズを見つけた、ゾムと色素男が居ない日を見定めるのに苦労した。
「(昨日買った…。あれ?あそこにあるし…これ。)」
考えに耽っている色素男、そんなに私が物をあげることが不思議か?
…まぁ不思議か、奴隷の飼い主だもんな私。と思いながら言葉を出した。
「あげるよ。この前脅かしたお礼」
「…もしかして本棚見ました?」
「エ」
鋭くこちらを見ているような顔をする色素男に思わず身動いだ、バレたか…。
「…どうだったかな、この前見ちゃったかも」
「…」
かもだから、もしかしたら見てないかも…。そう思いながら色素男を見ると、少し頬が赤い…?
「では、これは選んで買ってくださったんですか?」
口角が上がっているのは気のせい?
案外人が良いのかな、まぁ良いよね様子見てる限りは。
思ったより好評で思わず感情が迷子になる。
「まぁ、うん…。要らなかったら捨てていいよ。」
「いえ、要ります。」
大事そうに本を抱え込んだ彼に、思わず笑みが溢れた。
「…良かった、じゃあ私はもう行くね」
「蝶使さん」
「あ、はい」
サラッと名前を呼ばれた事にソースどこだと思いながら色素男を見る。
「ありがとうございます…!今度オススメの本貸しますね!」
「…!」
本に興味は無いけど…。
「貴方が進める本なら、是非読みます」
今の言葉は本心だ、私はその日ゆっくり寝れた。