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現実のキミ

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第1話 「キミとの出会い」

♥

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2022年06月15日

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私とキミは、年齢が4つも離れている。

そして、私の方が4つも年上。

推しに選んでいいのだろうか、彼は私のことを迷惑と思わないか・・・

キミからしたら相当なおばさんだよね。

現実味のない恋・・・のはずだった。


彼が中学生の頃、私は高校生の頃に彼と出会った。

好きなアイドルのうしろで一生懸命なキミが、とてつもなく美しく輝いていた。


「誰?あの子」

彼のダンスのレベルは今までにない。

どことなく引き込まれていく、生まれて初めての感覚だった。

彼のことを自然と追いかけるようになってしまったのは、この頃からだった。


キミは春から都内の名門大学に入学、私は春から都内のIT企業に入社し、社会人になった。

大学の在学期間もすれ違うし、縁がないよね。

所詮、彼には届かない存在。

私は彼に会うために、頑張って仕事をするのに精一杯だった。


「弊社は、夏がいちばんの繁忙期だからね!」

頑張っていた仕事も、彼に会える時間を邪魔してくる。有給もまだ使えない。

夏のライブなんか、行けるわけがなかった。


なんのために働いて、なんのために生きてるんだろうな。

自分の全てを犠牲にして、やりたいことも全部捨てて社会に出たはずなのに辛かった。


彼にはもう会えないんだ。


そう思うしかなかった。

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