空太(くうた)はドキッとした。
鼓動の高鳴る恋の予感……ではなく、 杏葉(あずは)の表情が、声色が、無だからだ。
すぐに、過去の記憶を蘇らせる。
こんな杏葉を見たことあっただろうか。
少しでも引っかかる部分があれば、どうすればいいのかのヒントになるはずだ。
浮かんだのは、小学5年生の夏休み明けのことだった。
空太も杏葉も仲良くしていた 梨乃(りの)ちゃんが、クラスメイトの 啓介(けいすけ)くんにペンケースを取られて壊されてしまったのだ。
啓介くんは梨乃ちゃんを好きだった。
興味をひくため、ペンケースを取ってからかっていると、ブチッとチャックが切れてしまったのだ。
そのペンケースは、梨乃ちゃんにとって大切なもの。
争い事が大嫌いな梨乃ちゃんは、仕方ないと寂しそうな笑みを浮かべていたのは印象的だった。
しかし、杏葉はそれを許さなかった。
いくら過失であろ************
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