テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する


ワインがこぼれそうにもなっている彼の手から、グラスを引き取って、


「先生、大丈夫ですか?」


二つのワイングラスをテーブルに置き、そう気遣った。


「ああ、すいません……」


すると彼は、じっと伏せていた目を見開いて、


「……彼女の経歴を、少し調べてみる必要があるかもしれませんね…」


と、思い切ったようにも口にした。


「……経歴を、調べる?」


言葉の真意をはかりかねて聞き返すと、


「……少し、思うところがあるのです……。確かなことがわかれば、またお知らせをさせてください」


彼からの答えに、まだ本当のところはわかっていないらしいことが知れると、私もそれ以上は何も聞かずに待っていようと思った──。


そっと寄り添っている傍らで、「はぁ…」と彼が息をついて、ソファーに疲れた様子で深く沈み込む。


「……あっ、ワインは……」


手にしていたグラスがないことに今になって気づいた様子で、ぼんやりと口にする彼に、


「……ここに」と、手渡して、「先生、さっきの話がそんなにこたえられていて?」ひと息に飲み干されたグラスに、ワインを注いだ。


「……それほどだったのなら、もうこの一杯で飲むのをやめられて、あまり飲みすぎない方が……」


彼が心配でそう声をかけると、


「ん……」


充血して赤く潤んだ瞳で、私を見つめ、


「もう少し飲ませて……。飲まないと、もたないのです……」


彼は、再びグラスの中身をぐっと煽った。



「責め恋」美形な医師は、サディスティックに迫る

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

19

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚