テラーノベル
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※ywsyn
「しゅん、しゅんってば」
「….もぉ、なによ」
「ねぇ、一緒に見ようよこれ」
「いやって言うたやろ。」
そう言うと舜は外したイヤホンを付け直した。
「え〜」
「……」
舜が下唇を尖らせて横目で俺を睨む。
その理由は俺が舜の苦手なホラージャンルの映画を見ているから。
一緒に映画見よって誘ったら何見る何見る?って目を輝かせて犬耳と尻尾を生やしたくせに。
俺が観たいものでも良い?と言うと、珍しく俺にわがままを言われたことが嬉しかったのか二つ返事で「良いに決まってるやん!」と答えてくれた。
その言葉に甘えて俺が観たいホラー映画の予告を流すと
「じゅう、これ怖いやつ?」
と一気に元気が無くなったのが可愛かった。
「ん〜こわくないよ」
俺がそう言ってしゅんの頭を撫でた瞬間、振り返ったところに怨霊が、というベタなシーンが流れる
「わッ!」
しゅんは耳を塞いで飛び上がり、俺の後ろに隠れてしまった。
「みたない!!」
「驚かせるシーンが多いだけで怖くないみたいだよ」
「驚かされるのが怖いんやもん!」
「でもこれ観たいなぁ」
「ぅ~、じゃあ、おれ音はきかんとく。目だけ。」
「え?」
「イヤホンする!ノイキャンで!」
普通だったら思いを汲んでくれない恋人に愛想を尽かして寝室に行ってしまいそうなほど嫌なことをしている自覚があるが、しゅんはやさしい。でも、ここまでは想定内。
ホラー映画もクライマックスに差し掛かる。しゅんは俺に引っ付いたまま。薄目で頑張って見てはいるみたい。
「しゅん」
小声で話しかけるもノイキャンのおかげか反応ナシ。
「しゅん、襲って良い?」
「え?」
俺と目があったしゅんは俺が何かを言っているのを把握はしているが、何を言っているかは分かっていないみたい。
気になってはいるけど、映画はまさにクライマックスで阿鼻叫喚、大きい物音が鳴っていることは想像できるだろう。イヤホンを外すことはしたくないみたい。
「しゅん?キスして良い?」
「じゅう、なに?きこえへん。何言うてるん?」
極力目を映画から逸らし、眉毛を八の字に下げて俺の顔を見上げるしゅん。
かわいいなぁ。
我慢出来ずにしゅんの手首を掴んでソファに押さえつける。
しゅんは「え!?」と声を上げながら俺を見上げる。
「しゅん、おそって、いい?」
今度はゆっくり口を大きく開けて伝えてみる。
「、、えッ、いや、じゅう?」
みるみる赤く染まっていく頬と耳、
しゅんは俺の口の動きを読み取って何を言われたか理解したみたい。
かわいい。こんなに健気で、からかいがいがあって、良い子で。甘やかして、どろどろに甘やかして、俺だけに夢中になって欲しい。
俺はしゅんの驚いて開いた口にキスをする。
片手はしゅんの両手首を押さえて、
片手はしゅんの後頭部を押さえて、
身体はしゅんの腰を押さえ込んで
きっと、ノイキャンしてるから音がこもってぐちゅぐちゅ脳みその中を侵略してるだろうな。
「じゅッ、まっ、ぅ、ゃッ」
あ、最近増量したからか油断したら剥がされそう。
でもやっぱり肩や腰は薄くて華奢だな、かわいいな。
「しゅん、だいすき」
「俺だけ見て」
「俺の横にいて」
「ずっとずっと俺だけにして」
「運命の人って言ってくれたもんね」
しゅんは優しいから、直接言えない弱い俺を許してくれるよね。
コメント
1件
うわあ、これめっちゃ甘いけど支配欲強めのやつだ…! ホラー映画を盾にちょっとずつ距離詰めてくるじゅうの狡猾さと、それに気づきながらも優しさで応えちゃうしゅんの健気さの対比がたまらん。ノイキャンイヤホンで音聞こえない設定、口の動きだけで伝える「襲って良い?」の流れ、ずるすぎて笑った。これからどうなるんだろう、続き気になるわ〜🔥