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神霊


斉木たちと相対した男女二人。そのうち、男の方が一歩前に出た。

「こいつは俺がやる。お前は手を出すなよ」

「かまわないよ」

そう言って女は後ろに下がった。

「へえ。女に良いとこ見せようってか? 僕を相手に一人で大丈夫かな?」

「色々と勘違いしているようだから、教えておいてやろう」

そう言うと男は真っ直ぐに斉木たちの方に突っ込んできた。

突然の強襲を斉木と仲間は難なく交わしたが、男の狙いは別にあった。

男は突っ込んだ先にあった建物のコンクリート壁を思い切り右手で殴った。壁は轟音と共に崩れ落ち、男は振り向き満足気な顔を見せた。殴った腕には怪我の一つも無さそうだ。

「なんたるタフネス」

斉木の心は期待に膨らんでいた。

「仲間くん。下がってなさい。こいつは君には少々タフ過ぎる」

「先生。分かりました。ご無理をなさらないように」

「大丈夫さ。直ぐに片付ける。しかし……」

斉木は興味深そうに男に近づいた。男が崩したコンクリートブロックをおもむろに拾い上げるとニヤリと笑った。

「君は天使じゃないだろう? かといって霊と言った感じでもない。実体がある。何者だい? 」

「俺か? 俺は吽王(うおう)。貴様が言うように天使ではない。霊とも少し違うな。俺は神だ」

「へえ」

斉木は笑いが堪えられないといった様子だった。

「神とは大きくでたね」

「……俺たち二人はこの間まで少しは名のある社に奉られていた。俺たちは実体こそ無かったが、意識は持っていた」

「そいつが何で実体を?」

「この体はどこの誰かも知らん人間の男のものだ。あの日、俺たちは突然に体を得た。俺たちに体を与えたのは一人の女だ。その女は堕天使だと言っていた」

「堕天使……」

「そいつが言っていた。貴様を殺せば後は好きにしていいと。俺はなあ……」

吽王は声高らかに笑った。

「あの間抜けな顔をして俺たちに祈りを捧げる人間どもを殺して回るのさ。きっと気持ちがいいぞ 」

「そうかい。まあ、べらべらしゃべってくれて助かったよ。ずいぶん口が軽いんだね」

「口止めなどされていないからな。それにされたところで俺より弱い者の言うことなど聞くものか。奴らも殺す。それに、貴様もここで死ぬのだから、何を知ったところで関係ないわ!」

吽王は再び、斉木に向かって突進してきた。

「真っ直ぐにアタックするだけか、芸がないね」

斉木は体がぶつかる直前に左側に飛んだ。とても常人の反応できるタイミングではなかったが、吽王はそれに反応し、斉木へと向かってきた。

「動体視力には自信があるんだよ」

轟音と共に斉木の体は吹き飛ばされた。

「先生!」

仲間が心配して叫んだが、斉木は難なく立ち上がり、服に付いたホコリを払った。

「大丈夫。でも少し油断したよ。直撃は免れたから、僕程度の強化でも助かった」

「貴様」

吽王は腑に落ちないとでもいうように、斉木を見ていた。吽王の足元にはコンクリートの塊が散乱していた。

「これはなんだ? 何をした?」

吽王が知る限り、斉木を確実に捉えたはずだった。しかし、激突の瞬間に吽王を襲った感覚はもっと堅いもの。

そして、今足元にはコンクリートが散乱し、斉木はぴんぴんしている。

「僕の能力だよ。見せてあげようか?」

「能力だと?」

「そうさ」

斉木は吽王に近づいていった。吽王は身構える。

「君の身体さ。普通の人のものだって言っていたよね」

「だったらどうした?」

吽王の間合いまでつめた斉木は右手を上げた。

「じゃあこれで十分かなって」

斉木は右手を身体の前に付き出した。そして、次の瞬間に吽王はその場に前のめりに倒れた。

「これが僕の能力」


原子分解


斉木が触れたものを原子レベルにまで分解する。触れる身体の部位は特に限定されない。


続く


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