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第3話
本音
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翌朝。
俺はソファから起き上がる。
体が硬い。
メルの方を向く。
メルはまだ寝息を立てている。
「…ずっと寝てるな」
ついふっと笑ってしまう。
そしてメルの白衣に目を向ける。
メルが起きたら、これを渡して追い出す。
…もう、決めたんだ。
白衣を手に取り、ぼーっと見つめる。
すると、後ろから音がする。
ばっと振り向くと、メルが起きていた。
「ん…」
「…」
一瞬、言葉に詰まる。
「…起きたか」
目を逸らして言う。
「…うん、体調も良くなった」
メルはにへっと微笑む。
「…動けるか」
「うん、元気になったよ」
メルはベットから降りる。
「じゃあ…もう、大丈夫だな」
俺は白衣に視線を戻す。
少しだけ沈黙が流れる。
「…」
俺は小さくため息をつく。
もうここにいさせてはいけない。
そう決心する。
ゆっくり立ち上がって、メルの前に立つ。
「…ノートン?」
「…もう、ここには来るな」
「外に出て、街に戻れ」
俺は白衣を差し出し、少し小さい声で言う。
白衣を受け取ったら、もう追い出さなければいけない。
俺の手は、白衣をぎゅっと強く握りしめていた。
まるで、まだここにいて欲しいとでも言うように。
メルは白衣を掴み、そのまま動かさない。
顔を上げて俺を見ると、メルは驚いたように目を見開いた。
「…その前に、ひとつ聞いてもいい?」
「…なんだ」
俺はメルを不思議そうに見つめる。
「どうして、そんな顔をしてるの?」
一瞬、思考が止まる。
少し間が開く。
「…は」
ぽろっと声が漏れる。
俺は目を見開いて自分の頬に手を当てる。
俺は今、どんな顔をしている?
「ちょっとだけ」
メルは少し目線を逸らす。
少し迷ってから、
「悲しそうな顔してるなって思って」
と呟く。
「……」
俺は言葉が出ず、視線を落とす。
ジョゼ美味そう
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悲しそうな顔をしている自分に驚いた。
どうして?
メルは昨日初めて会った子供だ。
俺はそんな子供に、たった一日でそんな感情が湧いたのか。
今までこんなことはなかった。
俺が何も言えずにいると、メルは口を開く。
「もう少し、ここにいてもいい?」
はっとして顔をあげると、メルと目が合う。
「……いや…」
俺は一瞬言うが、そこで言葉を止める。
「…はぁ…」
俺はため息をつき、片手で 顔を覆う。
「…ああ」
「ほんと?」
メルは嬉しそうにじっと見つめる。
俺は視線を逸らす。
「…ほんとだ」
俺は白衣を持つ手を緩める。
そして、安心してしまったことを自覚する。
こんな気持ちになったのは初めてだ。
メルは嬉しそうに微笑んでいる。
俺もつい、微笑み返す。
「あ、笑顔になった」
メルはぱあっと笑顔になる。
…ああ、眩しい。
直視できず、目を細める。
子供というのは本当にこんなものなのだろうか。
追い出すはずだったのに。
今はどこか安心してしまっている。
さっきとは違う、優しい雰囲気が2人を包む。
そこにあるのは、安心と嬉しい気持ちだった。
ちらちらと見える太陽の光が、2人を優しく照らしていた。
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Thank you for reading. ෆ