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瑠姫は、純喜と同じ大学の学生だと偽り、彼との関係を深めていった。
嘘をついている罪悪感はあったが、未来の自分が知らない、この時代の純喜の姿をもっと見ていたいという気持ちが勝った。
純喜は、突然現れたミステリアスな瑠姫に興味を抱いた。
どこか物憂げで、けれど時折見せる笑顔がひどく眩しい。
瑠姫は、純喜がまだ自分の歌の才能に自信を持てず、将来の夢に悩んでいることを知る。
未来の純喜が、誰よりも歌に真摯に向き合い、輝いていることを知っている瑠姫は、彼を励まし、そっと支えた。
ある日の放課後、純喜が練習しているカラオケボックスに瑠姫もついて行った。
純喜がマイクを握り、歌い始めた瞬間、瑠姫の胸が熱くなった。
未来で何度も聞いてきた、あの力強くも優しい歌声。まだ荒削りだが、その声には人を惹きつける確かな魅力があった。
「純喜の歌、本当にいい声だね」
歌い終えた純喜に、瑠姫は心からの言葉をかけた。
「ありがと。でも、俺、あんま歌に自信なくて…」
俯く純喜に、瑠姫は優しく微笑む。
「そんなことない。純喜の声は、人を幸せにする力があるよ」
瑠姫の言葉は、純喜の心に深く響いた。
自分の夢を心から応援してくれる瑠姫に、かけがえのない存在だと感じる。
「俺…瑠姫のこと、好き」
「……俺も」
次第に、友情以上の感情が芽生え…二人は恋人同士になった。
純喜は、瑠姫の存在が、自分の人生に光を与えてくれたと感じた。
瑠姫は、純喜との幸せな日々を噛みしめながらも、いつかこの時間が終わってしまうという焦りと、切なさを感じていた。