5つの星
昨日れるちが死んだ。
信号無視の居眠り運転のトラックに跳ねられて頭を強く打ったことによる即死。
居眠り運転のトラックはその少し先の電柱に突っ込んで運転手も死んだ。
行き先のない怒りとこうしていればと考える悔しさといつも隣で笑いあっていたのに居なくなった寂しさが体と頭を支配する。
何も考えたくない、何も考えられない。
いつもの明るくて少し高めな関西弁の話し方をするれるちはもういない。
れるちが死んだ翌日にすたぽらは解散した。
5人揃ってないと続ける意味は無いから。
今日はすたぽら結成日。
毎年みんなで事務所の配信スペースに集まって配信をしていたあの日はもう二度と来ない。
みんなで目標達成に向かってただがむしゃらに頑張って、達成出来た時にみんなで泣いて喜んだあの幸せで楽しくてどうしようもないくらいわくわくして明日が来ることが、明日も5人みんなで活動をすることが当たり前だった日はもう来ない。
そんなことを考えながら所属していた事務所の入るビルの屋上への階段を昇る。
カツカツと無機質な音が階段に鳴り響く。
昔は5つの音と笑い声で満ち溢れていたのに今はたったひとつの靴の音。
話し声も笑い声も明るくて優しくてあったかかった空気も何も無い。
ただ暗くて静かで冷たい空気が上に上がる靴の音にまとわりついている。
ガチャと重い扉を開けると外は雨が降っていた。
事務所に着いた時には晴れていたのに。
僕のすること、れるちは気づいちゃったの?
だから泣いてるの?
雨はれるちの涙なの?
なんてバカみたいな考えが一瞬浮かんだ
カツカツ
階段を上る音。
屋上に向かってくる音。
それも複数人。
音はするのに静かで、聞いたことのある音。
誰が来るのかすぐに分かった
ガチャ
重い扉が開いたのと同時に出てきたのは、くにおとこったんとゆうくんだった。
みんな見ない間にすごく不健康な見た目になってる。
前までは身だしなみにはめちゃくちゃ気を使ってたのにやっぱりみんな同じなんだなと思った
「みんななんで来たの?」
ゆっくりと少し低い声でゆうくんが言った。
「れるちに会いに行くために」
真っ先に答える。はっきりと声を出した。
れるちが死んでから初めてかもしれない。
こんなにもはっきりと言葉を発したのは。
「だよね」
にこりとくにおが微笑む。
「それじゃ、行こっか」
こったんがゆったりとフェンスに近づく。
くにお、ゆうくんがそれに続く。
もちろん僕も
「もう、引き返せないよ?」
最後の確認をこったんがする。
「分かってるよ」
にこりと微笑み、こったんの手を取るくにお
「今度こそ5人で夢叶えようね」
僕とくにおと手をつなぎながらゆうくんが 言った
「じゃ、行こっか!」
これ以上にないくらい明るい僕の声と共にみんなで繋いだ手を高く上げて僕たちは大きく羽ばたいた。
空には一際明るい水色の一番星がひとつ。
その近くを4つの流れ星が通った時の事だった。
『次のニュースです。昨夜未明、東京都○○区のビルの前に4人の死体があると警察に通報がありました。身元の特定出来る所持品を全員持っていないことから警察は身元の特定を急いでいます。また、警察は屋上からの集団飛び降り自殺として経緯を調べています』
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珍しくすたぽらです!何気に単独は初?
これはリア友のぽらりすからのリクです!リア友よ!見てるか!?
今後もゆるーく投稿します!
あ、あと誰かクロノヴァのアルファベットの
「いれいす→Iris」みたいなのわかる人いる?
コメント
2件
crxvとかじゃなかったかな…わからん