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次の日。一応、学校へ行く。味方なんて、誰もいないのに、期待してしまう。裏切られると、分かり切っているのに。
教室の扉を開ける。…おかしい。陰口が何もない。それだけじゃない。憂沙が、一人になっている。何が、あったのだろう…。
「不思議そうだな。」
「っ!湊…どうして!」
「俺が、消えろと言ったのは、憂沙に向けてだ。それを勘違いして逃げたのはお前だろ。」
「それは…」
「分かってる。もっと、辛くなるって、考えたんだろ。」
どうして…わかるの…
「俺は…見てきた。君のような人を。」
「どうやって…私を…」
「これだ。」
動画を、見せられた。いつの間に、撮ったのだろう。私が、いじめられている動画だった。幽子は、知っていたのだろうか。これを。
「分かっただろ。」
「うん…でも…一人は、可哀想だよ…」
「そうか…いや…そうだよな。どんな理由があろうとも、独りはダメだな。」
そうして、このクラスからは、独りの人が、居なくなった。平和になった。
でも、まだ気になる点がある。幽子だ。どうして、助けてくれる人がいると、分かったのだろうか。
その疑問を解決するため、今日も森に行く。
「幽子、いる?」
……………
「幽子?」
どうして…?
「幽子!」
あ…幽子の漢字…幽子にしか見えない幽霊…まさか…幽子は…
「幽子。君は、幽霊なの?」
「そのとうり!」
「ひ!?驚かさないでよ!」
「ごめんごめん。」
「本当に、君は、幽霊なの…?」
「そーだよ〜。どうして気づいたの?」
「君の名前と、君にしか見えないっていう幽霊達。人には見えないはずなのに、君には見えていた。」
「あはは…」
「君が幽霊なら、君が言ったことの説明画ーがつく。君は、見たんだね。憂沙と、湊、そして、私を。屋上の、上から。」
「すごいね。よく考えたね。でも、残念。」
「え?」
「私は、この森から出られないの。」
「じゃあ…なんで…」
「知り合いの幽霊に聞いたんだ。君のこと。」
「そっか…」
「幽霊は、至る所にいる。いつも、君を見守っているよ。」
「そっか…」
「それじゃあ、私はこれで。」
「え??消えちゃうの?」
「ううん。姿が見えなくなるだけ。」
「そっか…それじゃあ、最後に2つだけ、教えて。」
「良いよ。」
「私は、どうして君が見えるの?」
「君が、消えたいと願ったから。」
「っ!?」
あの日…あの場所で、消えたいって、消えちゃいたいって、思ったから…だから…
「最後の質問。君の、本当の名前は?」
「香」
「かお…り…」
「それじゃあ、バイバイ。お姉ちゃん。」
その言葉によって、眠っていた記憶が、呼び起こされる。そうだ、私には、双子の妹がいたんだ…
「待っ…あ…」
消えちゃった…
そう。私には、あの日まで、双子の妹がいた。