ある島にて
「こんないい女が手に入るたぁ思いもしなかったぜ 」
気色の悪い笑みを浮かべ、優越に浸っている男
「変な事すんなよ したら分かってるよな?」
顔を近づけそう言ってくる
「…はい」
力無く返事をするしかない
抵抗する気力すらも残っていなかった。
「おい、部屋に案内しろ」
男は部下にそう言い、カイナを部屋へ案内した。
「ここがあんたの部屋だ 」
部屋の中は以外に豪華だった。
「変な事すんなよ」
男の部下はそう言いドアを閉じて出ていった。
普通はベットに横になったりするが、この時ばかりはそうする気になれなかった。
寝たら何かされそうな気がしたから。
とりあえず椅子に座り、少し深呼吸をした。
(ここから出られるまでは絶対に寝たりしないでおこう…)
カイナはそう誓った。
数日間 カイナは全く休まずに部屋で過ごした。
その間に式の準備が着々と進んでいた。
ドレスの試着、会場の設計、その他もろもろの準備に連れられた。
体調は日に日に酷くなっていく。
内蔵が締め付けられる様な痛みが増していく。
何とか気を保とうと深呼吸をする。
式は明後日。
カイナは赤髪海賊団の皆を信じ、式の日を待った。
式当日、ドレスを着せられドレッサーの前で時間になるまで静かに待っていた。
男の元に行くことがストレスなのもあり、体調は1番酷い状態だった。
気を抜けば直ぐに倒れてしまうほどに。
「もうすぐ時間だ。」
式の時間になり、会場へ移動する。
「おぉ!!一段と綺麗じゃないか♡」
男はカイナに甘い声をかける。
「……」
「さぁ、式が始まるぞ!」
会場の扉が開かれる。
レッドカーペットを歩く。
そして指輪の交換を行おうとしたその時、
バァン!!
扉が大きく開かれた。
そこには、
「遅くなったな。カイナ」
シャンクス達が居た。
「やはり来たか! お前らかかれ!!」
男の部下達が武器を構えシャンクス達に襲いかかる。
『ぐはぁっっ』
男の部下達は次々となぎ倒されて行く。
会場は戦場になった。
「くそぅ! 約立たずばかりだ!」
男がそう言った直後、
「ぐえっ!」
少し遠くに飛ばされた。
「カイナ!」
目の前にはベックが居た。
「大丈夫か!?」
「…うん」
「早くここから抜け出そう。」
ベックはそう言い、カイナを連れ出そうとすると
「連れ出されてたまるか!!」
男が鎖を出し、ベックを狙った。
「!」
カイナはベックに当たらないように手に力を込め、鎖を凍らせた。
ベックを守ることは出来たが、体力的にも限界だった。
膝から崩れ落ち、動けなくなる。
「カイナ!」
「はぁっ…はぁ…」
「悪いな、少し抱かせて貰うぞ。」
ベックはカイナを抱きかかえ、扉に向かって走る。
「げほっ、げほ、」
息が続かず咳き込んでしまう。
ベックはそのまま外に出た。
一方、シャンクス達も事が済んだようで少し急ぎめに船へと戻って行った。
カイナは意識を失って居たようで、気がついたのは事件の3日後だった。
体にはまだ熱が残り、思うように動けなかった。
「カイナ、どうだ?気分は」
「まだ息苦しいけど、あの時程じゃ無いかな…」
「そうか…」
ベックはそのまま黙ってしまった。
「ねぇ、ベック。どうしてあの場所が分かったの?」
「あぁ、それは…」
カイナが連れ去られた後、幹部達で作戦会議を行った。
その途中、敵船が止まっている島を見つけた。
恐らくそこで式を行うということだろうと思った
まず、何人かが敵の部下の中に潜入し、式が行われる日時などの情報をでんでん虫で伝える。
そこから誓のキスをするまでに合図を送り、シャンクス達を乗り込ませるという作戦だ。
「とにかく無事で良かった。」
ベックは一息つく。
「ありがとう…ベック。」
か細い声で礼を言う。
手を差し出し、ベックに触れようとするがギリギリ届かない。
ベックは少し近づき、その手を握りしめた。
カイナがそこに居るという事実を噛み締めながら。
「ベックの手、冷たいのね…笑」
カイナは笑みを浮かべ、しばらくベックと手を繋いでいた。
END
長くなってすみません💦
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