いえた。
逃げてきた。
全てのものから、
私は幼い頃から白い髪、白い肌、赤い瞳を持っていた。
この姿が大好きだった。本当は
おばあちゃんにも、おじいちゃんにも褒められて
でも、お父さんは褒めてくれなかった。
お母さんを思い出すからって、”お母さんの代わり”になった私が憎らしいからって
生まれて11年。
産み落とされて11年。
仏様に嫌われた、11年間。
お父さんは私を学校にも通わせてくれたし、ご飯も食べさせてくれたけど、一度も話すことは無かった。
それどころか、私を見るとどこか思い詰めた表情をした。可哀想だと思った。
それなのに私は、謝ることすら出来なかった。
毎日、写真に写ったお母さんに謝って、謝って、過った。
「お母さんも、白くて綺麗だね。 綺麗なお母さんの代わりでごめんなさい。」
「お母さんは優しかったんだね。優しいお母さんの代わりでごめんなさい。」
(お母さん、あのね。
私はお母さんのことが嫌いだよ。)
真夏、おじいちゃんとおばあちゃんが他界した。
原因は事故。お散歩中に居眠り運転をしていた人の車に轢かれてそのまま
その日からお父さんは家に帰ってこなくなった。
迎えに来てくれなかった。
ご飯も何もなくて。連絡もなくて。
外に出てみた。目があかなかった。熱かった。
ほんの少し痛かった。
それに、熱いはずなのに、冷たかった。
ここに来て12年。
あやまり始めて12年。
太陽に嫌われた、12年間。
猫がいた。真っ白な。
光が反射して、私を消し去ってしまうような気がした。
でも、猫は私をずっと見つめてる。
雨が降ってきた。
冷たいはずなのに、暖かかった。
猫は、私を置いて前へ進んだ。
呆然としていると、猫は道路の真ん中で止まって、私を走らせた。
水溜まりの上で跳ねて、こけて、でも暖かくて、
猫の方を見ると、ほんのり笑っている気がした。
水が跳ねて、猫が鳴いた。鳴いて、泣いて、私を泣かして。
私は、ぐちゃぐちゃになった視界の端にいたトラックに気が付き、猫の方を見た。
(猫さん、お願い。私をとめて。)
あ、やっと、いえた。
コメント
2件
中人)……なるほど……?……言えた……、……死者にあったとかか……?猫の方がなんだったのか……、……猫に関してはもうクトゥルフ神話しか思いつかないから一旦後回しするか……、……あぇぇ……何から考えれば良いこれ……、……取り敢えず……アルビノか……、……発言的に母さんもアルビノだったのか?ほなそういう家系?……いやストーリーに関わらなそうやなこれ、……取り敢えずほぼなんも分からん( ᐛ )