『ハァ…..ハァ…..』
私はいつも過呼吸気味だ
生まれてからずっとずっと
昨日も今日もこれから先も
辛いけど、どうしようもない
「息、しづらいのか?」
『だ….ハァ、誰….?』
声のした方を向くと海から顔だけを
出している黒髪で綺麗な緑の目をした
男の子と目が合った
「俺はシャークん」
シャークん 何処か懐かしい気がする
「息しづらいんだろ?こっち来い」
私は言われるがままに海に近づく
するとシャークんは私の手を引いた
『えっ…….』
バシャ
抵抗することができずそのまま
海に落ちてしまった
『(息….止めなきゃ)』
そう思って息をとめた
「大丈夫だ、息できるぞ」
彼は海の中でそう言った
『(出来ないよ!)』ブンブン
私は声が出せないから首を振った
「俺を信じろ」
彼の綺麗な目で真っ直ぐ見られて
私は息をしてみた
『………苦しくない』
陸にいた時とは違いとても
息がしやすかった
「やっぱり」
『なんで?』
「お前は元々人魚なんだ」
「昔陸の人間の網に捕まって
陸上に連れて行かれたんだ」
『……思い出した
昔お母さんに陸は危ないから近づくなって言われてて、それでも私は好奇心に勝てなくて海面まで行って、そこで網に引っかかって……』
私が捕まった時、彼は何かを言っていた
そしてもう一つ
『シャークんと私は友達だった』
名前を聞いた時懐かしさを感じたのは
その所為だ
「ッ…..思い出したんだな」
『うん』
「あの時、〇〇が捕まった時言った言葉
もう一度言わせて欲しい」
「好きだ」
『ッ…..』(;ω;)
「⁉︎どうした⁉︎」
『ごめん….嬉しくて…』
『私も好きだよ、シャークん』
「…..///」
「もうずっと離さないからな」
『うん!』
私たちはそう言って手を繋ぐ
離れないように、固く
さっきまでは暗く見えていた世界が
とても眩しく見えた
作者
短編集初めてです!
これは短編なのか?
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