「 」
「 」
「 」
「 」
...誰かが何かを言っている。
その声は海の中にいるみたいにくぐもっていて、ノイズのようなさざなみがそれを聞き取ることを妨害している。
なんだ? 何を言っている?
辺りは1面暗闇で、はるか遠くに微かに4つの人影が見えた。
誰だ、なんなんだ。
その時、はっきりと声が聞こえた。
「また会おう、俺たちの世界で。」
「...はッッ?!」
俺、ぺいんとはバッと布団からはね起きた。
いつも通りの部屋に、少し安心する。
ほっと息をついて、それから少し考える。
何か変な夢を見ていた。
4つの人影が何かを話して笑っていて...
最後の言葉。
「また会おう、俺たちの世界で...?」
俺は呟きながら、ほぼ無意識にスマホを手に取ってLINEを開いた。
すると。
「...?!」
俺は目を見張った。
俺のLINEの画面には、俺の大切な仲間の「クロノアさん」「しにがみくん」「トラゾー」の連絡先が無くなっていたのだ。
混乱に陥る。
俺は嫌な予感がして、急いで愛用のパソコンの電源をつけた。
...こういう時の俺の予感は当たるものだ。
すぐ身近なSNS...つまり元青い鳥さんの画面に切り替えると...
日常組が、消えていた。
俺のTwitterや全てのSNSには、3人との繋がりが消失していた。
さらに調べると、日常組が築き上げたチャンネルさえも消えていた。
「え...? な、なんで?」
頭がぐるぐるして、気持ち悪い。
水を飲んで、パソコンを見つめた。
調べていくうちに、何となく分かり始めた。
この世界と、俺の知っている世界は、違うらしい。
俺「ぺいんと」は、ここでは個人で活動していて、「日常組」だったチャンネルは俺のものとなっている。
「クロノア」さんや「しにがみ」くん、「トラゾー」は本当に別々に活動している実況者で、コラボなどはしていないらしかった。
...まぁいいとして。
何故こんな謎で悲しい世界に来てしまったかは本当に分からない。
「俺は独りで、たった独りで活動をしているのか...?」
その事実が、今はなんとも悲しかった。
パンパンと2回頬を強く打って、俺は何とか皆と関わりを作り出そうと考えた。
俺は手始めに、「ある人」へDMを送ることにした。
ちなみに、「日常組」が消えたため、あの有名な脱獄シリーズはなくなってしまったわけで。
もちろん、「田中」はいなかった。
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