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皆さんこんばんは。
作者です。
正月は餅を食べてのんびり過ごして居ました。
皆さんは何餅が好きですか?
私はきな粉餅です。
前回の作品でのコメント&♡ありがとうございます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)
少し遅くなってしまいましたすみません🙇♀️
言い訳をすると大晦日と正月は小説を書く気が起きず書けませんでした。大晦日の紅白良かったです。
注意
・腐注意
(今回はあんまり腐では無いけれど作者が腐っているので)
・太宰さん愛され
・津島源左衛門についての捏造あり
それではどうぞ。
✣✣✣✣
「あの、すみません武装探偵社の方ですよね?」
声をかけられ振り返ると、何となく整った顔をした、蓬髪の男がいた。それはまるで彼奴の様で─
「多忙な時にすみませが依頼を受けてはくれませんか?」
誰もが心を許す様な笑みを浮かべているが、それでもなお隠し切れていない言葉の端々から感じる冷たい圧に背筋が凍った。そして感じる、此奴は危険だと。
だからと言ってここで依頼を断るのはいかがなものか。もしかすると本当にに困っているのかもしれない。一度、探偵社で監視しながら依頼内容を聞こう。
「分かりました。詳しい依頼内容を後程武装探偵社にて聞かせて頂きます」
「ありがとうございます」
男は”にやりと”嗤った。
後になって分かった事だが、俺は此奴の依頼を受けるべきではなかった。けれど、それが分かった時にはもう手遅れだった。
✣✣✣✣
「只今戻りました」
国木田は探偵社の扉を開けた。しかし社内には数名の事務員しか居ない。他は屹度、喫茶うずまきに行ったのだろう。現在時刻は十二時三十五分。あの依頼人は何時頃に来るのだろうか。そう考える国木田に事務の女性が声をかける。
「国木田さん、此処を出てかなり経って帰って来ましたけど、何処へ行っていたんですか?」
「鮮魚店に行き蟹を買って、次に太宰の飯を ・・・はッ」
国木田は探偵社に戻り先ず最初にする事を忘れていた。
「 いかん、ここで休んでいる場合ではない!彼奴に飯を食べさせねば!」
国木田は買ってきたゼリーを出した。お粥は依頼人がいつ来るか分からない今、作る事は出来ない。国木田は大股で医務室に向かう。
「太宰起きているか?」
医務室の扉を開ければ何時もなら人の気配で起きる筈の太宰が寝台で眠っていた。それもぐっすりと。疲れているのだろうか。国木田はそう考え、ゼリーとカットしてある果物を寝台の近くにあった机に置いた。
【食べれるなら、食べておけ】
と言うメモを添えて。
国木田はなるべく足音を立てないように医務室から出て行った。
「あら、国木田さんおかえりなさいませ」
「もう帰ってらっしゃったんですね」
医務室が出て来た国木田に谷崎と彼の妹のナオミが声をかける。
「嗚呼。それともうそろそろ依頼人が来る筈だ。茶の準備をしていてくれ」
「分かりました」
急に入った依頼に困惑する事も無く茶の準備をしに行く谷崎兄妹。依頼が急に入るのはこの仕事をしていれば珍しい事でもない。
「兄様〜♡可愛いですわ♡」
「ちょ、ナオミ!あ♡」
・・・何も聞かなかった事にしよう。
「国木田さんおかえりなさい」
「彼の人は?」
次に帰って来たのは敦と鏡花の二人だった。
「太宰の事か?今はぐっすり眠っていたぞ」
「そうなんですね!良かったです」
ほっ、と安堵の溜息を吐く敦。
「じゃあ僕達は仕事に戻りますね!」
国木田に礼をして二人は各々の席に戻った。机に置いてある書類を見ればさほど多くはない。残業になる事は無さそうだ。そんな事を考えていると、給湯室から谷崎兄妹が出て来た。
「国木田さんお茶の準備出来ましたよ」
「そうか、感謝する」
「そういえば、依頼人さんどんな人だったんですか?」
「品のある人だったな。それと物凄く太宰に似ている」
「太宰さんに似てるって、凄く変人って事ですか?」
少し引き気味で聞いてくる谷崎にナオミが察した様で国木田の変わりに答える。
「違いますわ兄様、話し方や笑い方の事ですよ」
「嗚呼、それに顔もよく似ていた」
「そこまで来たら太宰さんのご家族なんじゃ・・・でも太宰さんのご家族って全然想像出来ませんね」
いつもの太宰さんがあんなですし。と言って苦笑いを浮かべる谷崎。
三人がそんな話をしていると、扉の方から軽いノックの音が聞こえて来る。
「すみません、依頼を受けて欲しいのですが・・・」
「分かりました」
国木田は先程の男を応接室まで案内する。
「貴方は先程の・・・」
「国木田です」
「ありがとうございます。それでは国木田さん先程出会った時に言った依頼についてですが─」
「国木田君ゼリーと果物ありがとう・・・ってあれ?依頼人さん?これは失礼」
深い眠りから覚めた太宰は机に置いたものを食べたようで少し眠たそうな声で国木田に礼を言った。太宰は依頼人の顔を見て目を見開いた。依頼人の男も太宰の方に顔を向け、薄く嗤っている。が国木田は気付かない。
「貴様はまだ休んでいろ。本調子では無いのだろう?」
「・・・分かっちゃう?それじゃあね」
太宰はおぼつかない足取りで医務室まで向かった。
「ここの社員さんですか?」
「はい。今日は少し体調が優れないようで」
「そうですか・・・」
「それでは改めて依頼についてお聞きしても?」
国木田はそれてしまった話を戻す。男も先程まで太宰の背に向けていた視線をこちらに向け直した。
「ええ。依頼内容何ですがお恥ずかしい事に猫を探して頂きたくて」
「・・・猫、ですか?」
「はい。かなり警戒心の強い猫でして・・・そこも可愛いんですけどね」
男の話を聞く国木田の視界に人影が入る。
「お茶です。どうぞ」
どうやら谷崎が茶を運んで来たようだ。男は谷崎に礼を言い一口茶を飲んだ。
「その猫に特徴はありますか?」
「そうですね、黒い蓬髪に琥珀色の瞳をしています」
「分かりました。見つかり次第連絡致します」
「ありがとうございます。私も見つかったらまた来ますね」
今日はありがとうございました。国木田に頭を下げる男に国木田は一つ聞き忘れていた事を思い出す。
「すみません、貴方の御名前は?」
「嗚呼、これは失礼しました。私は」
─津島源右衛門です。
「それでは、左様なら」
パタリと閉まる扉。階段を降りる音が止んで漸く社内の緊張は解かれた。
「彼の人本当に太宰さんに似てましたね吃驚しました」
でも、うーん。と谷崎は何か考える様に唸っていた。
「苗字が違うんですよね、御両親だとしたら」
「そりゃあそうでしょ。太宰自ら改名したんだから」
社長室から出て来た乱歩が言う。その言葉に敦は驚いた様に目を見開く。
「えっ太宰さん自らって事は、太宰さんはさっきの依頼人さんの息子なんですか?」
「うん。そうだよ」
「それと国木田。今から敦と谷崎を連れて青森に行ってこい」
「今から、ですか?」
「嗚呼。なるべく急いだ方が良いよ。じゃないと太宰が危ない」
その言葉に社内が凍り付く。乱歩はいつも閉じている瞼を開き国木田を見る。
「何ぼーっとしてるのさ」
「はっ。承知しました。敦、谷崎行くぞ」
国木田は未だ混乱中の敦と谷崎を引っ張り探偵社を後にした。
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