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俺とシロ

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俺とシロ

167 - 第二章、57話 もらい受ける!

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2024年03月26日

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俺たちはホテルをチェックアウトすると、駐車場に止めていたレンタカーに乗り込んだ。


まず向かった先は【金閣寺】、京都といえばココだよね。


正式名称は鹿苑寺 (ろくおんじ) 。この金箔で覆われた建物は舎利殿になるそうだ。


いわゆる、お釈迦様のお墓のようなものだね。東寺でいえば五重塔がそれにあたるかな。


しかし自分で建てたとはいえ、ここに住んでいた足利義満(室町幕府第三代将軍)は豪気な人だったんだね。


とんちの一休さんにも出てきてたよね。懐かしい。


今日は曇り空で少し残念だったけど、金キラキンはとても凄かった。


は――い面白かった? じゃあね~!


ということで、お次は【北野天満宮】に来ました。


茂 (しげる) さんが推していたところだね。


ここはなんと、全国の天満宮・天神社の総本社なんですね。


牛さんの像がいっぱいあって、もー沢山!


…………失礼いたしました。


「もみじ苑」はとても良きところです。青(緑)のもみじがもう素晴らしくて……。


紅葉の時期はまた綺麗なんだろうねぇ。


「梅苑」とかもあって、こちらの見ごろは2月~3月だとか。「もみじ苑」と並んで素晴らしいということでございます。


そして参拝を終えたあと、茂さんが御朱印を頂いているようなのですが。


(…………!)


おお――っ、これはまたかっこいいでござる!


北野天満宮が所蔵している太刀『鬼切丸(髭切)』の茎写しと太刀名が堂々とはいった御朱印。


――こんなもの今まで見たことがない。


俺も並んでお願いしていると茂さんが横でニコニコしている。


いやこれは頂くでしょ。


『国広』の茎写しのものを含めて二枚頂きましたぁ。


もちろん御朱印帳もセットでね♪


まさか、こんなところで心躍るとはね……。さすがは京都、侮りがたーし。






さて、いよいよ次が最後なんですけど、


ここでお昼タイムになりました。


今日も簡単なもので良いということなので、『無添〇ら寿司』と『餃子の〇将』で迷っております。


しかし旅行中ですので、生ものは極力控えようということで『餃子の〇将』に軍配があがりました。


あっ、餃子も控えないとね。帰りの新幹線でニンニク臭はヤバすぎるでしょう。


ちゃんとシロ用に餃子とチャーハンをお持ち帰りしましたよ。


(お客さんが多かったのでシロはエアコンのはいった車で待っています)


えっ、餃子? シロは新幹線に乗らないからいいの。


そして我々はいよいよ【晴明神社】へ向かうことになった。ふんす!


――ここが晴明神社。


鳥居の真ん中にはドドーンと晴明桔梗が彫られています。


うーん、これって西洋魔法のシンボルである五芒星だよね?


そうなのか、五芒星って西洋・東洋問わず魔除けとして使われるんだね。(スマホで確認しました)


感心しながらも鳥居を潜って中へ進んでいく。


中は至ってふつう……、じゃなかったね。


いきなり式神さん (石像) がお出迎え。


続いては晴明さんが念力により湧出させたとされる井戸もある。


そして奥には拝殿と本殿があり、


画像


参拝所の階段右側には『厄除桃』、左側には『安倍晴明』と、二つの銅像が鎮座していた。


参拝を終えた俺は改めて晴明さんの銅像の前に立つと、


「稲荷山にいる白狐の野干 (ヤカン) はあんたの言い付けを確りと守ったよ。それで頑張ってきた分これから報いてやりたいんだよな。そういうことだからヤカンは俺が貰い受けるからな」


言いたいことを言った俺は銅像の前を離れる。


すると急にパラパラと小雨が落ちだし、それはすぐにあがると青空がのぞいてきた。


―― 狐の嫁入り ――


俺は天をひと睨みし、『ふんっ』と鼻を鳴らすと末社の齋 (いつき) 稲荷社へと進んでいった。


なんでも晴明さんは【お稲荷さま】の生まれ変わりとする説もあるのだとか。


何か妙なところで絡んでるよな。ただの偶然かね?


まぁいっか。






時計を見ると午後の2時をまわったところだ。


新幹線の発車時刻は午後5時30分だから、まだ3時間以上もある。


みんなで話し合った結果、自由行動ということになった。


とりあえずレンタカーを返し、それぞれが思い思いの場所へ散っていく。


「キロちゃん、家で待ってるみんなにお土産買うわよ。そのあとは抹茶パフェを食べに行きましょう」


「いえ、私は……ゲン様?」


「おう、俺はシロがいるから大丈夫だぞ。せっかくだから慶子 (けいこ) と行ってきたらいい」


「さすがゲンちゃん、キロちゃん借りていくわね~」


「健太郎 (けんたろう) 、小遣いのほうは大丈夫なのか?」


「そのくらいは持ってきてるっす! みんなに餞別ももらってるし」


(あぁそうなの? 餞別まで……、いいなぁ)


午後5時にココへ集合か。


じゃあ俺は昨日食べれなかった抹茶最中アイスでも食べにいきますかね。


それをシロに伝えるとブンブン尻尾を振って喜んでいる。


俺たちは光学迷彩を掛けると、イナリ (ダンジョン) に頼んでお山に転送してもらった。


すぐに三ッ辻の先にある三徳亭へ向かい、抹茶最中アイスを3個買ったのち大岩大神へ急いだ。


……居るかな~?


あっ、居た! 大岩のてっぺんで丸まって寝ている。


俺は気配をけすとシロを連れてそ~と近づき。耳もとで、


「誰にも見えないからって、無防備だぞ~」


「!!!」


ビックリしたヤカンは3mぐらい上に飛びあがった。


………………


そしてヤカンは拗ねている。


「もう、ほんとにビックリしたんですからね~。知りませんっ!」


「ハハハ、すまんすまん。あまりに気持ち良さそうに寝ているものだから、ついな……」


「…………」


「だから悪かったって。そうだ、ヤカンと一緒に食べようと思って抹茶最中アイスを買ってきたんだぞ。ほれっ!」


抹茶最中アイスを袋からだし、シロとヤカンの前に置いてやる。


「私のため……?」


「そうだぞぉ。一緒に食べたいと思ってな」


するとヤカンの機嫌もなおったのか、シロの隣りにお座りして一緒に抹茶最中アイスをパクついていた。






シロもヤカンもお口のまわりをペロペロしている。――可愛い。


「今日はどうなさったのですか、しばらく来れなかったのでは?」


「なんだ~。俺が来たっていうのに嬉しくないのか。それは悲しいなぁー」


「いーえいえいえ嬉しいです! もう飛び上がるほどに!」


そう言いながらヤカンは30㎝程のジャンプを繰り返している。本当に嬉しかったようである。


「とは言っても今日は少しだけだ。また今度ゆっくり出てくるからな」


「たとえわずかな時間でも嬉しいです。会いに来てくださって歓喜に堪えません」


「昨日、シロにお山を案内してくれたそうだな。ありがとう」


「いえいえ、あんな事はそう大したことではございません」


「じゃあ、今からお山のてっぺんまでみんなで行ってみようか?」


そう言って俺は山道を走りだした。


すぐ後を二匹も楽しそうに追従してくる。


時には社の屋根を、時には鳥居の上を飛び跳ねながらついてくる。


シロとヤカンは俺の横をすり抜け、目の前で交差しながら左へ右へと走っていく。


ハハハハハッ。良いな、こういうのって楽しいや!


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