テラーノベル
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「すみません!誰かいますか?」
私は中に向かって声を掛けた。
すると舌打ちが聞こえてきた。
そちらの方を見ると、そこには全身傷だらけの人がいた。
「大丈夫ですか?」
私がそう声をかけると
「……気に、すん…な。んなことより、ヴィランが、来るか…もしんねぇ。…さっさと、どっか行け」
その人はまた立ち上がろうとする。
「ま、待ってください!」
私は彼を制止する。
彼は荒い息を吐きながらこちらを睨んできた。
あまり時間をかけては居られないようだ。
「……全治癒(サブスタチューヒーリング)」 私の個性は治癒系の個性だった。
私が個性を使うと彼は驚いた顔をしていた。
「私の個性です。痛みとか傷は無くなったと思うんですけど……」
彼は少し身体を動かした後にこちらを見て
「…あぁ。わりぃ」
そうして彼はその場から颯爽と去っていった。
とりあえず助けられて良かった。
その気持ちが私の中に芽生えた瞬間、目の前がグラッと揺れた。
幸い壁に手をつけたので倒れはしなかったが、私はその場に座り込む。
(……大丈夫。そんなに傷とか凄かった訳じゃないし…)
そう自分に言い聞かせ、私もその場を去った。
それから、1週間程経った時だった。
ピーンポーン
私はその時リビングに居て、家族は弟の部屋に居たので私が出た。
「はーい」
するとそこにはなんだかガラの悪そうな人が立っていた。
「……」
「……あー、なんだ…その」
中々話し出さない彼を見て、私も少しモヤモヤして
「あの、うちの誰かに用ですか?母ですか?父ですか?それとも弟?」
「ちげぇわ!」
なんだか怒り出してしまった。
「えと……じゃあ、私?」
すると彼は頷く。
「……なら、外で話してもいいですか?弟がびっくりするといけないんで。」
「……あぁ。分かった。」
私は名も知らない彼を近くのカフェへと連れて行った。
「…それで、私に何の用でしょうか?」
「……これ。」
彼は私の書いたメモと名刺を取り出す。
「この、療坂 治夢(りょうさか おさむ) っつーのてめぇだな?」
「え、あ……はい。」
その時、私は気づいた。
私のメモと名刺を持っているし、この顔…
「あの…もしかして大爆殺神ダイナマイト?」
彼が頷く。
大爆殺神ダイナマイトと言えば、数年前にあったあの大規模テロの時に大活躍をしていた人だ。
まぁ、その後態度とか発言とか問題になって、ヒーローチャートだいぶ落ちたけど。
「あの、それで私に用って…」
「……あー、なんだ。てめぇのおかげで色々助かった。……ボソボソ」
「はい?」
「っ!だーかーらー!あんがとなっつってんだよ!!耳鼻科行けや!💢」
びっくりした。
急に大声出さないで欲しいな…。
てかここカフェだし。
「お客様、他のお客様の迷惑ですので…」
「あ、すみません!」
私は店員さんや他の方に謝り、ささっとその場で支払いをしその場から彼と一緒にカフェを出たのだった。
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