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「50回…」

今日も同じ作業の繰り返し、そろそろ飽きてきた。

「…帰るか。」

俺はフォルコレスの国王の娘の護衛として働いている。だが、俺が護衛している王女はまだ5才だ。暗殺されやすそうな性格で、同い年の子供よりか少し背が低いので、実際よりも若く見られる事が多い。

「シド。少しお時間よろしいでしょうか?」

彼女がこの国の王の娘、メルティア・ライマイト様だ。

「メルティア様。どうかなさいましたか?」

「…ください。」

「?」

聞き取れなかった。この方がこんなに口ごもるのはめずらしい。

「メルティア様。はっきり言わないと、シドが困ってしまいますよ。」

これはメルティア様の専属メイドであり俺の同期、ミア・アルテだ。こいつはメイドにしては強いやつだ。護衛でもある。

「大丈夫だミア。まぁ、聞き取れなかったがな。」

メルティア様が覚悟を決めたような顔で言った。

「シド。」

「はい。」

「私を、あなたの弟子にしてください!!」

「…はい?」

意味が分からなかった。普通、自分の護衛に弟子にしてくれと言うか?しかも、なぜ身近にいるミアではなく俺なのか。本当に意味が分からない。

「ですから!私をあなたの弟子にして欲しいんです!私は強くなりたいんです!」

「メロティア様。あなた御自身が強くならなくても、私やミアがお守りします。ご安心ください。」

「私は守られたくありません!それに…護衛の方々は自分の身は自分で守れと言われているではありませんか!」

この人は大丈夫か?護衛は守る人がいるから護衛なんだ。守る人がいなかったら護衛の仕事がなくなるじゃないか。

「すみませんシド。メルティア様にお辞めになられた方がいいと申したんですが、聞いて下さらなくて。」

「いや。謝らなくていい。」

ミアの話を聞かないなら相当だな。

「…弟子になられてもよろしいですが、かなりきついと思いますよ。」

『え?』

何故そんなに驚くのか。ミアが驚くのは分かるが、メルティア様は自分で言ったんじゃないか。

「本当ですか!シド!」

「もう一度お考え下さい!メルティア様はあなたの指導についていけません!」

酷いな。ミアは。いくら俺でも5才の子供にきつい指導をする訳ないじゃないか。

「ミア。メルティア様は俺の主だ。主に無理をさせるわけないだろう。」

「シド。あなたのきついとメルティア様のきついは違います!それをお分かりですか!」

「主の望みだ。俺が望んだわけじゃない。」

「そういうことじゃないんですけど…」

「とにかく!シド!ご指導よろしくお願いします!」

さて、了承したのはいいが、彼女はこの国の王の娘だ。怪我をさせる訳にはいかない。どうやって指導していけば、メルティア様のお望み通りにできるだろうか。どのようにしたら良いだろうか。正直、メルティア様はあまり体力がある方ではない。まずは体力作りからした方が良いか。

ー翌日ー

「おはようございます。シド。」

メルティア様だ。いつも起きる時間よりかは早い時間だが、何かあったのだろうか。

「おはようございます。メルティア様。今日はお目覚めが早いですね。どうかされましたか?」

俺がそう聞くと、メルティア様は不機嫌な顔でこう言った。

「ミアと喧嘩をしたのです。シドは私の味方ですよね?」

「申し訳ございません。話の流れでが掴めないのですが。何故ミアと喧嘩を?」

(ガチャッ)

メルティア様の部屋から機嫌が悪そうなアルタミアが出てきた。

「シド。今からならまだ遅くありません。メルティア様の申し出をお断りしてください。」

なるほど、面倒なことになったな。おそらく昨晩、ミアとメルティア様は昨日の話して揉めていたんだろう。メルティア様は俺の弟子になることを望み、ミアはそれを止めようとした。それで喧嘩をしてしまったんだろう、、、いやまて、俺はミアに信用されていないのか?

「知らなかったな。」

「なにがですか?」

ミアに睨まれてしまった。口にでてしまったか。

「いや。なんでもない。それよりミア。」

「なんでしょう。」

ミアには悪いが、俺はもう鍛え方を考えている。今止めても、もう遅い。

「俺は、メルティア様の望みを叶えようと思う。」

「なんですって!シド!あなたのためでもあるんですよ!」

「ミアの心配も分かる。確かに俺は加減が苦手だ。だから、ミアも一緒に手伝ってほしい。」

ミアが固まった。

「…私も?…一緒に?」

「あぁ。頼む。」

「ミア!お願いします!私、強くなりたいんです!」

「…分かりました。その代わり、私がいる時にのみ、行ってください。絶対に。それが守れるのであれば、了承致します。」

「分かった。そうしよう。」

「ありがとうございます!ミア!私、頑張ります!」

「無理をなさらないでくださいね!それとシド!怪我させないようにしてくださいね!」

「分かっている。主に怪我はさせない。」

〜こうして、シドはメルティア王女の師となったのであった〜

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