練習で書いてみたr指定仏日。猫耳表現アリ。でもやることやってるわけじゃないし…うーん……。
元ネタは琥珀さんの「語り部屋」ですが、バリバリに改造してしまいました。すみません。
「にーほーんー」
綺麗な声と共に、鳥が舞い降りたかのような重みが肩に加わる。
「仕事まだー?」
「ちょっと待ってくださいね、後ちょっとなので……。」
土曜日の夕方。
お昼ご飯の後からずっと見守っていたフランスさんが痺れを切らしたかのようにそう言った。
液晶に映る、恋人の少し拗ねたような顔が愛おしい。
抱きついて満足したのか、そのまま大人しくしていてくれ……るわけもなく。
「ねーぇ、もう夜だよ〜。土日くらい僕とゆっくりしようよ〜。」
肩に絡みついた長い腕にゆさゆさと体を前後に揺らされる。
「僕もそうしたいですけど駄目です。」
「もうじゅうぶん頑張ってんじゃん、文句言う奴はjeがぶちのめすからさぁー。」
優しさと一人称揺れにきゅん、と鼓動が早まったが、いかんせん内容が物騒すぎる。
「ぶちのめさないでください。」
「じゃあ休んでよ〜」
「休みません。ドイツさんも休んでないんです。」
「僕ドイツ、働イテナンカナイヨ!」
「雑だなぁ……。」
言葉での説得を諦めたのか、フランスさんが黙って抱擁を強くした。
トントン、と諌めるように腕を叩き、再びパソコンに集中する。
しばらくそうしていると、フランスさんの気配が離れて行った。
やれやれ、と画面に向ける眼差しを強くする。
この調子なら後2時間強で終わるはずだ。
部屋にタイピングの音だけがこだまする。
と。突如、何か柔らかいものがうなじに触れた。
「ひゃうっ!?」
振り返る。当然のことながら犯人はフランスさんだった。
「……絵筆……?」
「絶対僕からはえっちなことしないから、ちょっとだけソファ行こ?」
強い刺激にはしないからさ、とフランスさんが微笑む。
聖母像のような完璧な笑みに、なぜか肌が酷く粟立った。
「ね?」
ずい、と綺麗な瞳が至近距離に迫る。
「……ちょっとだけ、ですよ……。」
左右で色の違う宝玉に見つめられて、断れるはずもなかった。
***
照明で薄く光る、イタチの毛で作られた最高級のコリンスキーセーブル。
穂先のまとまりが良くて細かく描ける、と確か彼の一番のお気に入りだったはずだ。
「じゃ、触るね。」
ふわり、と頬に毛先が触れた。
「ふはっ……ふふふっ…」
そのまま目の縁をなぞるように筆を動かされる。
「凄いクマ……ほんとどっかで有給とりなよ。」
「ジャパニーズビジネスマンは24時間戦えます。」
くるくると頬の弾力を楽しむように動いていた筆が、手を滑らせたのか、少し強く皮膚をえぐった。
「あれっ、耳出てんじゃん。」
慌てて口を塞ぐ。
顔の良さに押し負けてしまったが、僕にはまだ仕事が残っている。
フランスさんのスイッチを押すようなマネは自殺行為だ。
焦りながら耳をしまおうと意識を向ける。
それを見計らったかのようなタイミングで絹の上を滑るように、迷いのないスムーズさで筆がのった。
「んっ……ふ、っ……。」
耳の中、外、奥の方。
滅多に出さないそれの形を確認するかのような動き。
くすぐったさから身を捩ると、余計に柔らかな毛がこすれた。
「ぅあっ……ん゛ん……」
「ふぅ〜ん。こんな感じるんだ?」
ふぅっ、と息を吹きかけられた。
ぞくりと肩が震える。
ふわふわの筆で肌を撫でられる、未知の感覚。
こそばゆかったそれが、しっとりとした快楽を帯びたものに変わっていく。
下唇を噛み締めてどうにか快感に耐えた。
するりと耳から離れた穂先が、今度は首筋を下へと下へと這っていく。
「じゃ、こっちは?」
フランスさんが器用に左手だけでボタンを外し、右手がシャツの中に潜り込んできた。
強い刺激は加えないという宣言通り、胸の飾りを避けた、円を描くような繊細な動き。
ゆっくりと、確実に体が昂らされていく。
「ひ…っ……あ゛っ……んぁ……っ」
肋の凹凸を確認するようにお腹の上を左右に踊る筆。
「ふふっ。いっつもよく入ってるよねぇ…こんな狭いとこにさ?」
コツコツと結腸の上あたりをノックされ、小脳が焼き切れそうなほどの熱を持つ。
「…えっちなこと、しないんでしょ。」
息を整え、精一杯の強がりを見せた。
「ちぇっ。」
まぁいいや、とフランスさんが怪しい笑みを浮かべ、こちょこちょと太ももをくすぐる。
「ふはっ、ふははははっ、やめっ…ふぁっ!?やめれ……っ!」
「ひっ、あははっ!あふっ、ははは…っ、ひぅっ!?」
必死に制止をかけているつもりなのに、笑い声の混じったそれは酷く滑稽に聞こえる。
「やだやだやだっ…!こちょこちょしなあっ、でっ……!」
「やーだ。日本がえっちじゃなくてこっちがいいって言ったんでしょ。」
「ひぅ……っあ、ごめっ、ごめ、っなさっ……」
脇の下、浮いた背中、ビクビクと跳ねる腰。
丹念に描写するような筆運びでくすぐられる。
嫌だ嫌だと逃げようとしても、長い腕の中に囚われ、暴れるたびにきつく抱きしめられた。
目尻に涙が浮かび、情けなく終わりを乞う。
「ひっ!はぅ…っ!?…ぁっ、やめてよぉっ……。」
「あ〜…かっわい……」
慈しむような顔をしたフランスさんが目に映る。
足の甲や顎の下。体のすみずみまで撫でられる。
長時間の攻撃で肌はかすかな息遣いすら敏感に受け止めるようになってしまった。
「はー…っ……はー…っ、かひゅっ…あっ、ん゛あ〜〜……?」
「日本〜?大丈夫〜?」
されるがままになった僕の頬をフランスさんがぺちぺちと叩く。
「〜〜〜〜??」
笑いすぎたのだろうか。頭がぼんやりする。
やり過ぎた、と遠くで声がした。
「…ごめんね日本。もう終わろっか。」
くたりと抱き抱えられた腕に体重を預け、息を整える。
フランスさんはそっと僕をソファの背にもたれさせた。
「おやすみ、日本。」
優しく額にキスを落とされた。
やっと訪れた終わりに肩の力を抜く。
「……んぅ。」
でも、少し…ほんの少しだけ、お腹の奥が寂しいような気がする。
「日本?」
荒い息のまま回した腕に、フランスさんが不思議そうな声を出す。
どうやら僕は、胸に燻る欲求までくすぐられてしまったらしい。
「…もっと、奥まで触って……?」
カクカクとはしたなく腰が揺れる。服どうしがこすれる感覚ですら気持ちいい。
「…後悔しないでよね。」
僕の灯した炎が、ルビーの左目から、ラピスラズリの右目へと燃え広がっていった。
(終)
コメント
7件
確認が遅れました!すみません!放り投げたリクエストが2つも形になってる…無償で願いを叶えてくれるタイプの神様ですか?萌と喜びで天に召されそうなので、天界でお会いできそうですね 仏さん、えっちなことはしないって…筆で擽ること自体えっちいことなんですよ。顔の良さに負けてえっちになっちゃう日本くん可愛いね。美形に弱い日本、解釈一致です。そして、腕の中に閉じ込められて擽りから逃げられず、快楽堕ちするのも性癖ぶっ刺さりでしたわ。あれだけダメって言ってたのに自分から誘っちゃうなんて萌でしかないです。最高。 私のネタや設定を沢山使ってくださって嬉しいです!いつもありがとうございます
ふふふふふ…美味しい
わ…めちゃ良いですね…!! 悪戯でお茶目なフランスさんと日本の可愛い戯れからはじまって、最後は互いの瞳が愛欲を帯びるのが…好きすぎます! 可愛いフランスさんもかっこいいフランスさんも楽しめるとは…お得だ…!!