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19. ◇合コン
大勢いるのでおおまかにではあるが、いくつかのグループに分かれる。
その時、雅紀が自分のグループにいることを確認し、紀子の気持ちは高揚した。
紀子の目に他の男性は一切入らなかった。
何人からか話しかけられたが、上の空がバレバレで
彼らは一押した後、皆他の女性に向かっていった。
紀子は、今回雅紀とカップルになれないなら、そのまま帰るつもりだった。
――なので、雅紀の側になんとかして行きたかったけれど、他の女性が
次から次へと群れており、近寄れずにいた。
19-2
不思議な縁としかいいようがないが、この時雅紀のほうも
同じように紀子のことを想っていて、雅紀に群がっている女性たちを一度
振り切ったあと、チラチラと紀子の方をずっと見ていた。
そして誰とも交流していない紀子を確認するやいなや
素早く近付いていき、積極的に話しかけたのだった。
自分たちは、吃驚するくらい互いが互いしか目に入らなかったらしい。
遠く遠い生まれる前からの縁というものを
感じずにはいられないと紀子は言った。
勿論彼らふたりは今も仲睦まじく暮らしている。
「私、雅紀から絶対的安心感を感じて生活してる。
守られてるっていうの?
実際すっごい大切にされてるしね。
あっ、ごめんね香織」
「いいよ、別に……。
私は捨てられた女だけどね」ツンツン
「ははっ、まままま待って。
きっとね前世で夫は私の父親だったんじゃないかって思ってんのよ」
「へぇ~、甘えられる人がいて幸せだね」
「とにかく、夫の会社には奥手で真面目な男性が
巨万と居るからその中でも選りすぐりの男性を
雅紀さんに選抜してもらって香織に紹介してあげるから、
落ち込まなくていいよ ♪
啓吾なんていなくてもさぁ……絶対香織幸せになれるし
あたしが絶対あんたを幸せにするよ」
「絶対幸せにする……」ですって!
やっぱりなぁ~、いいと思う男性って他の女性たちから
見てもそりゃあいいんでしょうね。
あまりの倍率の高さに、紀子は戦意喪失しかけた。
そのあとも独りでいると、他の男性が近付いて来たのだが
めんどくさくなり、その度、スーっと10歩ほど別の方向に行く振りをして
自分に来てくれる男どもを振り払ったりした。
もし雅紀がこのグループに初めからいなかったなら、
別の男性のことも視野にいれていたかもしれない。
だけど、想い人はすぐそこにいるのだ。
他の男なんぞ相手にはしていられないというのが、紀子の本音だった。