コナンside
安室さんが何を言われたかすごく気になる。
莉心さんが安室さんに耳打ちしているのを見ていた俺は、ずっと聞きたくてうずうずしていた。
そしてやっと閉店時間。
「安室さん!」
俺がそう呼ぶと、安室さんは待ってましたという顔をする。
「どうしたんだ?コナンくん。」
わかってるくせに。
いつもはそう思うけれど、もうそんな余裕もなくて
単刀直入に聞く。
「さっき、莉心さんになんて言われたの?」
「んーとね、?」
「あなたは公安の人間で、組織に潜入捜査しているんでしょう?降谷零君。
…って。」
思ったより重要な話に俺は、素直に驚く。
「それで?安室さんのことだからはいそうですとはならなかったんでしょう?」
「ああ。1度とぼけてみたんだが、
とぼけなくても知ってるって言われた。
証拠も掴まれているみたいだ。」
だから素直に認めてたのか。
「安室さんがポーカーフェイスを崩すわけだ。」
「崩しちゃってたか。」
…知ってたくせに。
俺がそんなどうでもいいことを考えてると、
安室さんがこの沈黙を待っていたかのように言った。
「コナンくん。戸籍。」
「あ!調べてくれた?」
「ああ。…だけど、出なかったんだ。」
「…え?」
「彼女は戸籍がなかったんだ。」
…まじか。
名前を偽っているとかかな。
どっちにしろこれで一般人じゃないことは確定した。
…念の為灰原にも調べてもらうか。
公安が見つけられなかったのなら望み薄だが。
…ん、まてよ。
「公安と組織にいることを知ってて、莉心さんは
安室さんと職業が同じって言ったんだよね?」
「つまり、彼女は公安または組織の人間…」
なるほど。はったりでなければそういうことか。
「まあ、こんな調子ならいずれまたここに来るだろう。その時に色々聞こうじゃないか。」
ときどき、安室さんが味方で良かったと思うことがある。理由はただひとつ、敵に回したら怖いから。
自意識過剰な訳じゃないけど、恐らく安室さんも俺に対して似たようなことを考えているだろう。
…まあ、今度灰原に合わせてみるか。
そう呑気に思っていた。その時は、まだ。
コメント
0件