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一体何が🤔? 強気な涼ちゃんもいいですね 更新楽しみ♡
涼ちゃんが男らしい…!
続き気になるぅ…殴り書きでこれは天才ですね。はい。
『貴方にもう一度惚れた日』
大森side
『ミセス大森、藤澤、熱愛!?』
そんな大きな見出しの下には僕と涼ちゃんがキスしている写真が載っていた。
撮られた。
僕と涼ちゃんが付き合ってることは
世間にも、もちろんファンのみんなにも隠してきた。
昨日は夜涼ちゃんと一緒に家に帰って
夜ご飯食べて一緒の布団で寝た。
路上で、僕が「ここでキスしたい」って言ったから。
だって、それを撮られるなんて思ってなかったんだもん。
《涼ちゃん、元貴くんと付き合ってたの!?》
《藤澤ってやつ趣味悪くね》
《いやこれはもっくんが趣味悪いんでしょ》
《というか路上でキスって大胆だね》
《なんか大森って他のアイドルと匂わせてなかった?》
《鎮西でしょ、フルーツジッパーの》
《あれ嘘ってこと?》
《あれは嘘だって前テレビで言ってたじゃん》
《涼ちゃん可哀想、大森さんと付き合ってんの》
SNSを開けばこの熱愛報道に対する争いが行われていた。
その内容の多くは
『ミセスで可愛らしくて人気のある涼ちゃんが
色んな面で嫌われている大森と付き合っているのが嫌だ』
というものだった。
事務所には付き合った時から報告をしていたから
大事にはならなかったものの
報告していないファンのみんなは大騒ぎである。
事務所の社長は、これを機に付き合っていることを公表して
堂々と付き合った方がいい、と言う。
それに若井と涼ちゃんは賛成した。
「もうバレちゃったんだし、しょうがないでしょ」
「生放送の番組で言おうか」
「ちょ、待ってよ、!」
「…なに?反対、?」
携帯を画面が下になるようにして置いて、僕は涼ちゃんに言った。
「…やっぱり、言うのやめよ…っ」
「…どして?」
「…だって…男同士だし、…その、…」
「別にいいじゃん。多様性の時代なんだし」
「そうじゃなくて」
「…いやだってキスのとこ撮られたんだよ?
弁解のしようなくない?」
涼ちゃんが僕に詰め寄る。
「それとも、…他に言えない理由?浮気?」
違うと首を横に振ると、涼ちゃんはへー、と言いながら
僕の携帯を手に取った。
「あ、っ…!」
「なんだ、ロック空いてるじゃん…」
涼ちゃんの顔がだんだん険しくなって行く。
「元貴、これなに?」
「…これが原因ね。」
涼ちゃんはにこにこと笑いながら
携帯を僕に渡した。
でもその瞳の奥は笑っていない。
「…はは、涼ちゃんそんな怒んないでよ〜…っ」
明るい声を出して『傷ついていない、』と
一生懸命表現するけれど、
それとは反対に頬には冷たい感覚。
「…元貴、無理に笑わなくていいから。」
若井が肩に手を置く。
涼ちゃんが僕をじっと見つめる。
「…やっぱり、今日生放送で言おう。」
「絶対僕がなんとかするから。」
涼ちゃんの真剣な眼差しに、僕はつい頷いてしまった。