「ハァハァ!!」
俺は、Aランクモンスターのオーガから逃げていた。
「くそっ!なんでこんなところに……!」
グリダグナ草原には、冒険者初心者にも狩れる、グリダグナラビットと水色スライムくらいしか出ない。
かなりの初心者が最近草原から帰って来ないので調査してほしいと冒険者ギルドに依頼があがってきていた。
俺はその依頼を受けただけだった。
ギルドのランクは、Dから、魔物は、Eランクから売りに出せる。
だから、少なくとも、Eランクレベルの冒険者が帰ってきていない。
Bランクの俺は、調査だけで銀貨50枚貰える依頼を受けた。
余裕だと思っていたのに……!!
「ハァハァッ!ッ!?」
無我夢中で逃げていたせいか、足を挫いてしまった。
そのタイミング悪くオーガが武器の斧を俺の胴体を真っ二つにしようといきよい良く振ってきた。
「ガッ!!」
足を挫いたお陰で幸い致命傷には、ならなかったが、肩に放っておけば、死ぬだろう傷を負った。
「ハァハァ……。」
俺の病気の兄の為に薬を買ってあげたかっただけだったのに…。
「死ぬ…のか?」
ザシュッと何か切る音と共に澄んだ声が聞こえた。
『リルン、人が倒れてる。』
「え?オーガに襲われてたのかな?」
そんな声が聞こえたあとオーガの首が俺の目の前に落ちてきて俺の思考は、ブラックアウトした。