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ネコの退屈
⚠️センシティブな内容です。
申し訳ございません。
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その頃には、侍は廃れて、天人が江戸を支配するようになり、病院ができて、真夜は入院していた。
身体は15だが、心が10かもしれない、という話を精神科医に言われた時、それでもいいと言った。ゆっくりと大人になっていけばいいと思っていたからだ。
真夜が目を覚ましたのは、精神科医に話をされた時の日だった。真夜の好きな冬の雪が美しく降るお昼頃だった。真夜の個室の病室に入った時、真夜は窓の外を見ていた。その様子は儚くて、風が吹いたらすぐ消えてしまうんじゃないかと錯覚する程だった。
足に力が入らなくなりそうになるのを堪えながら、真昼は体を起こしている真夜を包み込んだ。
真夜はそんな真昼の腕の中に縋り付くように細い腕を回した。クロはそんな2人を優しく上からのっかる様に包む。
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真夜が退院したのはそこから2年がすぎた頃だった。真夜は精神科医の言う通りとはならず、精神的にも肉体的にも大人になれていたのだ。
みんな、安堵した。
これから、幸せになれる。
笑顔でみんなと笑いながら、生きていけるんだ。
そんな当たり前を信じて疑わなかった。
しかし、そんな当たり前は真夜が退院してから半年後、一変した。
ある日、真昼と真夜、クロと買い物をしに街まで出向いたことがあった。買い物は、真夜の服やアクセサリーといった真夜の退院祝いだった。
白い霞が出たのは、その買い物から家に帰る途中の事だった。クロは咄嗟に真夜を庇うように戦闘態勢に入った。そんなクロの近くに真昼はたち、何時でも血を飲ませられる状態のまま、襲撃してきた椿とたいじした。
椿はそんな2人を嘲笑うかのように、真ん中で立っている真夜に見たことの無いような、暗いようで重い笑顔を見せた。
椿は一瞬にして、間合いをつめ、真夜の後ろへたっていた。ばっと振り向くが2人はぶっ飛ばされていた。
真夜の頬を後ろから抱きつく形で擦り寄った。
真夜は恐怖からか、心配からか、真昼とクロを涙を流しながら、手を伸ばしていた。
「迎えに、行くからね、」
その声に3人はひゅっと喉から音がなるのがわかった。それ程、椿の声、表情は歪んでいた。
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