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･ちょい暗
･ハピエン
･R15
･ユズル目線
｢…ん｣｢お､ユズル｡おはよ｣
目を開けるといつもの声と､いつもの天井が見えた｡11月だから少し寒い｡いつもこうだ｡当真さんの家に行くとエッチして､そのまま寝ちゃう｡もう自分の家の天井より見たかもしれない｡
｢…おはよう､とぉまさん｣｢ボーダーは?｣｢今日は無いよ｡このまま家居ていい?｣｢ん｡いいぜ｣
布団を捲るとこの家に置いてるパジャマ､下着に着替えさせられていた｡よいしょ､とベットから降りると､ウォーターサーバーから水を出す｡とぽとぽと水が紙コップに入る｡
｢ん…｣｢さて､どうする?｣｢どうするって…｣｢ヤるか?オレもボーダーねぇんだケド｣
髪を下ろしている当真さんはいつもと一味違う｡ちょっとだけ色気あるんだよね｡悔しい｡
｢…当真さんのえっち｣｢んじゃ､やるわ｣｢人の話聞かないね｣｢人の話なんか聞いてたら狙撃手なれねぇよ｣｢そんな事ないし｣
そんな雑談をしながら､服を脱がせられる｡
｢…当真さんにとっては､おれも一人のセフレなんでしょ｣
当真さんに聞こえない声で､そう呟く｡
今日は当真さんちに行く｡防衛任務も終わったし､みんなと明日のランク戦対策もした｡マフラーを巻いて､当真さんの家に向かってる最中だった｡電話がなった｡
｢…!!｣
そこには当真さんから謝罪の文｡
“すまね｡今日無理になった｡今度にしてくれ｡すまんな”
だって｡素直にセフレとエッチって言えばいいのに｡その方がオレも楽なんだからさ｡
｢…さむ､｣
｢ユズルー｣｢…なに?｣｢やー昨日はマジごめんな｡ちょっとなー｣｢…そう｣
肩に置かれた手を払う｡
｢…ユズル怒ってっか?そう怒んなよー｣｢怒ってないし｡全然大丈夫だよ｣
バッグワームを起動して､イーグレットを構える｡
｢合同訓練始まるよ｣｢…｣
｢当真さんさ､忙しい中オレと合わなくて良いんだよ｣｢全然忙しくねーよ､この前だって…｣
この前､その言葉を聞くだけでイラッと来る｡
｢その話はもういいよ､今日家行っていい?｣｢おーもちろん｣
｢…ねぇ当真さん｣｢ん?｣｢オレって､ただのセフレでしょ?だったら､無理して合わなくていいんだって…｣
携帯を見ている当真さんに､話しかける｡このままだと､オレがしんどい｡オレの自己満だけど別に､当真さんはいっぱいいるんだから､1人くらいいなくなっても支障ないんだろうから､
｢…は?｣｢え?｣｢俺らって付き合ってるんじゃねぇの?てか､セフレってなに｣｢え､だって他にも色んな…｣｢いや､ユズルだけだし｣
同じく携帯を見ていたんだけど､あまりの衝撃に携帯を落とす｡
｢うそ､｣｢嘘じゃねーし､なんでそんなの思ってたわけ｣｢だ､って…｣｢オレがチャラいから?意外とオレ一途なんだけどなぁ｣
両の手で頬っぺを引っ張られる｡いたい｡
｢らっひぇ､ひょおましゃんいっふぁいひぇふれいるんれひょ｣｢どこ情報だよ｣｢いてて､ボーダーなら有名だよ｣
頬を擦りながら言う｡事実だ｡ボーダーでは噂が絶えない｡
｢マジかよ…オレマジで一途よ?｣｢じゃあなんでこの前会えなかったの?｣
束縛してるみたいな質問してるのは分かってる｡でも､一途だって言うなら､その証拠くらい持ってきてくれないと納得出来ない｡
｢あ?あー…まぁ一日はえぇけどいっかな…ほらよ｣
ガサゴソと棚を漁ってる当真さんの手に､ラッピングされたプレゼントのようなものがあった｡
｢誕生日オメデト､ユズル｣｢…え?｣
カレンダーを見る｡あ､そうか､明日は､おれの誕生日｡
｢誕生日プレゼント買うために…ってこと…?｣｢そうそう､信じてくれたか?｣
信じた､めっちゃ信じた｡
｢ありがとう…?｣｢イイエ｣｢開けてもいい?｣｢いいよ｣
ラッピングを外すと､ラピスラズリが着いているキーホルダーが出てきた｡
｢えっ､これ高かった?｣｢いいや､2000円くらい｣
そりゃ本物じゃないのは承知済みだよ｡でも意外と巧妙に作られてる｡
｢12月3日の誕生石ってラピスラズリなんだよ｡石言葉がおまえに合ってたから｣
ちょっと照れながら当真さんは言う｡珍しいな｡
｢石言葉ってなに?｣｢幸運｡えーっと…おまえさ､鳩原居なくなってからへこんでるだろ､だからおまえに幸運が訪れるように…って｣
確かに鳩原先輩が居なくなってからはなんか生気が無くなったような気もする｡
｢ありがとう…｣｢大丈夫だっての､な?｣
ぽんぽん､と頭を叩かれる｡
｢誕生日､一緒に過ごしてくれる?｣｢…おう､真っ先に祝ってやる｣
おでこにキスをされる｡あぁ､幸せだな｡
＊END＊
◇あとがき◇
当ユズさいこう…👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻
コメント
3件
やっぱりかにねこさんの作品は神ですね(*´∀｀*)
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