桃 赤
地雷さん ばいばい、また来世で会おうね♡
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肺が凍りそうなほど 寒く 、 吐いた息も 白く なる 。
どれだけ着込んでいても 寒さが 消えないのが 冬の 嫌な所だ 。
「 はぁ ~ 、 」
「 ど ー したの 、溜息なんか着いちゃって 。 お嬢様ちゃん 」
え 、
「 俺 、 少年 、 」
「 あ、ごめんごめん 」
突然声をかけられ 、振り向くと サンタ服姿の 年上の… おじさん ?
「 あ、今 お前 おじさんって思ったろ 、」
「 え、」
「 引くなって 、 少年 」
そう言いながら 何やら 白い袋から ものを取り出そうと、
ごそごそと 漁っている 。、
「 お、 あった 。 これやんよ 。 」
「 え、 これ … いーの 、? 」
目の前に差し出されたのは 沢山のお菓子たち
。
「 あぁ、いいぜ 。 300円でな 。 」
「 … ちっ、 クソおじが 、 」
「 大人に向かってその態度はなんだ 、」
タバコを片手に 呟く 彼 。
しばらく外にいたのか 、指先や鼻は 赤くなっている 。
「 ていうか何で おじ… お兄さんは こんな所でバイトしてんの 、」
「 仕事だよ、仕事 。 」
「 クリスマスの日に仕事か。可哀想だね 。」
「 … てめぇっ、ふざけんなよクソガキ 」
「 なんとでも言えよ、 クソおじ 」
俺がそ言うと 口調を イライラとさせながら 貧乏ゆすりをしだす 。
「 んだよ、…そっちこそクリスマスなのに 家族 はどうしたんだよ、家族は 、」
「 … か、ぞく 」
家族か、そんな言葉を聞いたのは 何年ぶりだろう 。
母親は 病気で亡くしてから 新しいヒステリックな奴が来るし、
それに対して 父親は 俺に無関心 、
「 … いい、なぁ 。 」
「 … !? ちょっ、おまっ、 」
気づくと目から涙が溢れて止まらなくなった 。
お兄さんは 最初は 嫌そうな顔をしていたが 、
しばらくすると 頭を引き寄せ、 抱きしめながら慰めてくれた 。
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「 ぁ、 おにーさん 、 」
「 ん、何 ? 」
「 仕事 、 どーしたの 」
店から出てくると 、 サンタ服は来ておらず 私服を着ていた 。
「 何か 幼児泣かせたって言ってクビになったわ 」
「 え、 なんか ごめん 、 ( 」
別に ? と言って コートを羽織る 彼 。
「 行っちゃうの 、 」
「 え? … 大丈夫。また会いに行くよ 。 」
「 いつ、? 」
「 そうだな、… お前が 20になったこの日にしよう 」
「 … 長い 」
「 文句言わない 、 笑 」
そう言うと 雪の上に 足跡を残しながら 遠くへ歩いてゆく 。
「 … 」
それから 8年後のクリスマスの日、あの男に会うことは無かった 。
「 お ~ い ! 赤 くん っ 」
「 あ、青ちゃん 」
今日は 12月の28日 。
もうクリスマスも終わって 皆正月気分だ 。
「 あ、青 ちゃん 、 俺忘れ物したから取りに行っていい ? 」
「 えっ、いいけど… 早くね ? 」
「 うんっ、! 」
「 ふぅ、 … 」
広がっているのは 自分が元いた街 。
クリスマスで人が笑顔で楽しんでいる中 、 自分だけが惨めで
ひもじい思いをしていた ところ 。
「 おじさんいるかな 、… 」
「 だから おじさんじゃねぇって 、… 」
「 えっ、 」
聞き覚えのある声が 後ろから 聞こえ 、 振り向くと
今度は ちゃんとした服を着ている 彼の姿 。
「 おじ … お兄さん 、」
「 ん、 よく出来ました w 」
そう言うと ポケットからタバコを取りだし吸い始める 。
「 ちょっと 俺の前で吸わないでよ 、」
「 は? 吸ったことあるんだからいいじゃん 」
そういう問題なのか 、、
呆れていると 彼の手が顔に重なる 。
「 遅めの クリスマスプレゼントだ 。 喜べよ ? 」
「 … しょーがないな 、 笑」
そう言って 重なった影 。
ファーストキス は タバコの味がした 。
end .
嫁ちんが ノベルで泣かそうとしてきたんで、
泣かし返そうとしました (
コメント
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んふ
もう少しで泣きそうW W 桃赤さいこー
桃赤 てぇてぇ、 ((