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【笑って神様】
蝉が鳴き始めた夏、今はもう夏休みだ。
私、浅木 鈴音(あさき すずね)は母方のお爺ちゃん家にお母さんと1週間滞在することになった。
田舎にある家で車から見えたのは緑や黄色が広がる田んぼと、山の方には神社の鳥居が見えた。
お爺ちゃん「おぉ久しぶりだなぁ鈴音」
お婆ちゃん「そうねぇ、前より大きくなったかしら?」
鈴音「こ…こんにちは…」
お爺ちゃんの家に着くと私は人見知りで、ずっとお母さんの後ろに隠れてしまっていた 。
それでもお爺ちゃんとお婆ちゃんは嬉しそうにニコニコと私を見ていた。
すると、お婆ちゃんが何か思い出したように口を開いた。
お婆ちゃん「そういえばあんた鈴音ちゃんにあれ出さないと」
お爺ちゃん「そうそう、お爺ちゃん鈴音が来るって聞いてメロンを買ってきたんだ」
鈴音「メロン?」
お爺ちゃん「あぁ美味しいぞ、どうぞ」
鈴音「美味しそぉ…」
お母さん「そうね美味しそうなメロンね、お爺ちゃんにありがとうは?」
鈴音「ありがとう…お爺ちゃん…」
私はお爺ちゃんから貰ったメロンを一口食べた。 中がオレンジ色のメロンは水々しくて甘かった。
お爺ちゃん「美味しいか?」
私はお爺ちゃんの問いにコクコクと頷いた。
お婆ちゃん「ほんと久しぶりねぇ、鈴音ちゃんは今何歳かしら?」
鈴音「えっと…6歳!」
お爺ちゃん「6歳かぁ前に会ったのは5歳だったな」
お婆ちゃん「去年はみんなでおせちを食べていたけど、鈴音ちゃんが食べれる物無くてお父さん(鈴音の)がコンビニまで行って買ってきてくれたものねぇ」
私の父は仕事の都合上今日は来れなかったが私が好き嫌いが多いのを理解して、遠くにあるコンビニまで走って買いに行ってくれるくらい優しい人だ。
────そしてメロンを食べ終わりお母さん達はすっかり大人同士で話し始めてしまった。
鈴音「ねぇねぇおかあさん、ひま」
お爺ちゃん「だったら近くに神社があるよ。あそこでよく子供達が遊んでいるんだ」
お母さん「もしかしたら同い年の子も居るかもしれないし行ってみたら?」
鈴音「おかあさんもいっしょにいこ?」
お母さん「お母さんも後で行くから先に行ってきなさい」
鈴音「はーい…」
私は暇を潰す為に近くの神社に来た。
子供は居なかったが…賽銭箱の前で丸まっている“神様”が居た。
私はすぐに泣いているのが神様だって分かった。
だって、目の前の神様は、体が大きくてキツネのお耳が生えててふわふわの尻尾が丸まっていた。
私は初めて見た神様に話しかけてみた。
鈴音 「ねぇねぇ、なんで泣いてるの?神様も泣いちゃうの?」
???「グスッ…あ?なんだお前…また視える子供か?」
鈴音「みえる?」
どうやら神様の姿は普通の人には見えなくて、たまに視える子供が来るらしい、私もその1人だ。
???「どうせお前も私を化け物と呼ぶのだろう…!さっさとあっち行け!」
鈴音「…ふわふわだぁ」
???「?!なっなにをしている?!」
私は神様の話しよりふわふわな尻尾が気になってわしゃわしゃしていた。
神様は怒った顔をしてだけど離れようとはしなかった。
???「私が怖くないのか…?」
鈴音「ううん、だってもふもふだもん」
???「どういうことだ?もふもふだったら怖くないのか…?」
鈴音「うん!」
???「変わった子供だな…」
私はしばらく神様の尻尾で遊んであっという間に夕方になってしまった。
私のお母さんは疲れた顔をして神社まで迎えに来てくれた。
お母さん「はぁはぁ…ここの階段意外と疲れるわね…」
鈴音「あっおかあさーん!」
お母さん「あら、随分顔色が良くなったわね。お友達は出来た?」
鈴音「あのね神様がいたんだよ!」
お母さん「神様?あー、あの狐の像の事ねあれは神様ではなく眷属らしいわよ」
鈴音「ちがうよ!たしかにキツネみたいだったけど…」
お母さん「はいはい、でもまぁ、今日は楽しかったようで良かったわ」
鈴音「うん!」
翌日、私はまた神様に会いたくてお昼ご飯を早食いして神社の階段を登った。
やっぱり…今日も神様は居た。今日の神様は昨日と違ってなんだか落ち着いている。
???「あぁ…昨日の娘か」
鈴音「こんにちは」
???「昨日もそうだったが…お主はなぜか私を怖がらないな」
鈴音「神様はこわくないよ!」
???「もふもふだからか?」
鈴音「うん!」
私は今日も神様の尻尾を触らせてもらった。神様の尻尾は暖かくも無いし冷たくもない、けどふわふわで不思議な感覚。
そして私は昨日の事を思い出して神様を見上げて聞いてみた。
鈴音「ねぇ神様、なんできのうはないてたの?」
???「あぁ…その事か…」
神様は少し悲しそうな表情をしていた。私は神様を悲しませたんじゃないかって怖くなった。神様はみんなを幸せにしてくれるから、私が悲しませちゃったらみんなも悲しんじゃうと思った。
???「そんな不安そうな顔をするな、子供は笑顔が似合う」
鈴音「神様だって…ふあんそうだよ…?」
???「…では、少し私の話しを聞いてくれるか?」
神様は私に昨日までのことを教えてくれた。
神様は昔の時代から居たらしい。神様が視える人達は私みたいに神様と呼んだり、神様を化け物と呼ぶ人も居るようだ。私は許せなかった。こんなに優しくて、もふもふの神様を化け物と呼んで悲しませるなんて。
???「まぁ、人が私を化け物と呼ぶのは分かる、実際私は神などでは無いしな」
鈴音「じゃぁなに?」
???「私自身も分からないのだ」
鈴音「じゃぁ神様でいいじゃん!きょうから神様は神様だよ!」
神様「…ははっお前は本当に面白いな」
神様は笑ってくれた。なんで笑ってるのかよく分からなかったけど、私は神様が笑ってくれるならそれでいい。
〜終〜