コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「はい。お待たせ」
そしてしばらくすると、つまみを何品か用意してソファーの前のテーブルに並べてくれた。
「これつまみ?すげーウマそう」
「簡単なモノでごめんね」
そう言いながら彼女はオレの座っているソファーの隣に腰をかける。
「いやいや、こっちこそ。またこんなに作ってもらって」
「こんなの全然簡単だから大丈夫」
いや、こんなの簡単にって。
あー、やばいなー。
こういうシチュエーション、オレどんどん気持ち持ってかれるだけなんだけど。
「あっ、そういえばプロジェクトのリスト確認して、ピックアップしたんだけど会社に書類あるから月曜渡すね」
「あぁ。もうピックアップしてくれたんだ」
「うん。また月曜適当な時間持っていくね。時間合いそうならその時に相談でも」
「あ~。月曜か。月曜は昼から外回り行くから10時くらいならまだ会社いるかな」
「了解。じゃあ10時に持っていくね」
「それさ~。毎週決めとかない?」
「何を?」
「プロジェクトのミーティング。とりあえずまずは毎週月曜10時に、前に打ち合わせした第2会議室で。そしたら毎週その予定で時間空けとくからプロジェクトも進めやすいし」
「うん。いいけど」
なんて、ホントはもっとあなたと一緒にいたいだけ。
こうやってプロジェクトの打合せだと言って決めておけば、あなたは抵抗なくオレに会ってくれるでしょ?
そうすれば毎週あなたに絶対会える。
「だからもう仕事の話はナシね」
「なんで?」
「仕事モードの二人じゃなく今はプライベートの二人の時間だから」
だからもう仕事の話は終わり。
この先はあなたにもっとオレを意識してもらう時間。
「仕事じゃない時間はドキドキの時間楽しまないと」
ここからはあなたにドキドキしてもらう。
「ねぇ。ドキドキの基準と範囲ってどこまで?」
すると、彼女はなぜかそんなことを聞いて来る。
「それはオレが透子に対してってこと?」
「そう」
「それは透子がオレにドキドキしてくれるならどこまででも。透子がオレを欲しがってどうしようもなくなるくらい限界になるまで、かな」
オレはあなたがオレにほんの少しでもどんな些細な事ででもドキドキしてほしいから。
でも出来ることなら、そんな風にオレをどうしようもなくなるくらい限界を感じるまで、オレを好きになってほしい。
どんなオレにでもあなたにはドキドキしてほしい。
「それは私がそうならないと成立しないってこと?」
「だってオレはいつでもそういう気持ちでいるから。透子がオレを求めてくれないとどんなドキドキも成立しない」
オレはいつでもどんな時でもずっとあなたにドキドキしっぱなしだから。
あなたといる時間はすべてオレはあなたにドキドキしてる。
だから、あなたもオレと同じ気持ちになってほしい。
「前から言ってんじゃん。透子さえその気になればいつでもどこまででもウェルカムだって♪」
「軽っ」
だけど、きっと彼女はどんな風に言っても、こんなオレの気持ちわかりはしないだろうから。
まだ彼女に逃げ道を与える。
彼女が重く考えないように、ゆっくりオレのこと考えてくれるように。
「まぁ、どこまで本気に思うかは、透子次第」
だけど、これが吉と出るか凶と出るかは彼女次第。
彼女がどうオレのことを考えてくれるかでそれも変わってしまうけれど。
だけど、いつかオレの本気を彼女に伝えたい。
「あのさ・・。今まで自分から本気で好きになった人っているの?」
すると、彼女から意外な言葉。
それはどういう意味?
オレのこと気にかけてくれてるってこと?
今まで何人もいろんな女を相手してきたのに、今までは全部そこにオレの気持ちがなかったから、適当にしてきたけど。
だけど、本気に好きになったこの人には、一つ一つかける言葉も行動も正解なのかわからない。
それが彼女にとってどう響くのか、それで彼女がどう感じるのか。
あんなに何人も相手にした経験がここでは全部無駄になる。
この人の前では、オレにとってすべてが初めてですべてが賭けみたいなモノだ。
「・・・・いるよ」
オレの目の前に。
たった一人、オレが本気で好きになった人。
「へ~。そんな人いたんだ」
やっぱり意外?
そんなオレをあなたはどう思ってるの?
本当はあなたに本気だって伝えたら、あなたもオレを好きになってくれる?