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ジャイジョニ
現パロ
ちゃっかり同居してます
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うるさい蝉の声が耳に残る。
つぅと背中に汗が伝う感覚が気持ち悪い。
「ン、よぉ♪」
「ぅおッ!」
ジャイロが勢いよくうしろからぼくの頬に冷たいアイスを当てる。
「…つめたい」
「ニョホホ、そんなの赤ん坊でもわかるぜぇ、ジョニィ。」
「君は本当にぼくを驚かせるのがうまいね」
「だろ?特技だぜ」
「所でジョニィ。んな所で何してたんだ?なんだぁ?その手に持ってる紙」
スッとジャイロがぼくの持っていた紙を取り上げる
「これは…あっ。勝手に取らないでくれよ」
「あぁ。病院の診査表か。」
そうだと返事しようとした瞬間、ジャイロは蝉より何倍もうるさい声で叫んだ。
「…は、オイ?!これ本当かジョニィ!」
「あぁ、全部本当のことだよ…病院の診査結果に嘘が書いてるわけないだろ」
「おい、おい…つまり、お前は…」
「足の感覚だけ戻ったってことか!?」
ジャイロは興奮気味で僕の方に近づいた。
「…そうだよ、ジャイロ。」
「よかったなァ、ジョニィ!!」
「何を言ってるんだ、なんともよくないよ。」
「確かに、足の感覚が戻ったのはよかったよ。…たけど、まだぼくは歩けないんだ。」
「だから、痛覚や熱さ、冷たいとか…そう言う感覚だけわかるようになっても意味がないんだ」
「ぼくは歩けるようにならないと…」
「まぁまぁ、そんな暗くなんなッて。」
「これだけでも、大きく一歩、進めたと思うぜぇ?オレは。歩けるようになるまでの道がな。」
ジャイロは車椅子のぼくに合わせるようにしゃがんでぼくと肩を組んだ。
「ニョホホ、…車椅子。このジャイロサマが押してやるぜ!」
「え、本当に?…ありがとう。」
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「あつい…」
「だからアイスを買ってきたんだよ。オマエの分もな、ジョニィ。」
「ありがと…」
アイスの包装を破いて一口アイスを咥える。
「ん〜ッ!つめたくて美味しい…」
「なあジョニィ」
「アイス食べるなら冬派か?夏派か?」
「…君は毎回痛いところをついてくるね」
「だろ」
「…まあ、僕は夏かなあ」
「なんで?」
「やっぱり、暑い時に冷たいアイスを頬張るがサイコーじゃあないか?」
「まあそれも 一理あるな。確かにそれもウマい…が。」
「やっぱ冬にコタツの中で食うアイスは特にウマいぜ、ジョニィ。」
「冬にアイス食べたら寒いじゃあないか」
「だから!下半身をあっためてくれるコタツの中で食べるんだ。」
冬のアイスを語り続けるジャイロは正直面白い。すごく必死に、ぼくに良さを伝えようとしてくれている。
「…だってぼくコタツ入っても足の感覚がないから分からないもの
「んじゃあ感覚が戻った今年はウチにコタツ入れてふたりでアイス食うか。」
「…そうだね」
ふとジャイロの方を見ると、アイスの包装を破りながらニョホホ、と笑ってるジャイロが見えた。