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#オリジナル小説
ちょこぬ
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すみません!諸事情で投稿出来ませんでした!
「乳をくれ」
数秒間の沈黙
そして最初に口を開いたのは一番最年少だと思われる小柄な少年
「この人、人妻だけどまだ子供は出来てないぞ?」
「まだって何かしら?まだって」
物凄い剣幕で少年に詰め寄ろうとしているが金髪の男が静止する
「……ム、そうか」
「てか何で乳なんだよ、せめてヤギの方が栄養はあるだろ」
「死にかけの赤子が居るんだ」
「へぇ、そうなんだ」
あまり興味は無いようだ
こんな時にアイリーンが居れば良いのだが……人間辞めてるからな
「!」
耳をピンッと立て辺りをキョロキョロと見渡す
「……なぁ提案なんだが」
そう言った少年の服の襟を加え投げ飛ばす
「はぁっ!?」
次の瞬間、矢が飛んでくる、それはゾーイの居る位置から30センチ程離れている木に突き刺さった
……別にあの小僧を投げ飛ばす必要は無かったな
「……なんだ今の」
「アイリーンが仕掛けた罠だな……」
あれだけの速さの矢、アイリーンしかあのアイリーンの化け物は力が強すぎて手加減しても罠が壊れる
「……」
……そもそも壊れてたな
アイリーンが発見してしまったら悲しんでいただろう
「そのアイリーンって誰?」
「……」
「無視するなよ」
「人だ」
「いや、それは分かるけどさ」
「……」
「えぇ……」
これ以上話さないゾーイに対して少し面倒くさそうに小僧はゾーイを見つめていた
「って、そんな事より早く!赤子が弱っているんでしょ!」
その会話を聞いていた女はハッとしたように言う
「……あぁ」
そういえばそうだったな、と人ごと、いや馬ごとのように思った
「早く案内をして頂戴!」
「……!あぁ!」
「とりあえず砂糖と水を飲ませましょう、少しは……」
赤子の姿を見て絶句している
「……ハエは飛んでるし、目も虚だわ……なんで早く教えてくれなかったのよ!!」
「……悪い」
この状態だと3日くらいは持つと思うのだが……まぁ少しは急いだ方が良いだろう
「……イポス族?」
赤子を見た小僧が言った
「ナンダソレハ」
金髪の男が言う、……カタコト、多分だがエルフ語を勉強したのだろう
「何でアンタはそんなにカタコトなんだよ」
「……ワルイ、サイキン、ベンキョウシテイルンダ」
「聞き取りづらっ」
小僧の言葉を聞き金髪の男は少しショックを受けているようだ
「て、そうそう、イポス族ってのは耳が90度で耳の形がエルフみたいに尖ってるんだよ、後は髪の毛とかも迷彩みたいに濃い緑と薄い緑とか、混じってる髪色で、クッソ気性が荒くて過去に侵入を試みた人間は皆酷い怪我を負って帰ってくるんだ」
「へぇ……コワイネ」
「でしょ?」
「……」
そんなに気性が荒……いや、他所の人間が来れば大体物凄い剣幕で追い払ってたな、この森にはカクもあったからな
「おまけに魔術も使えるし身体能力も比較的高いしで、北の国が奇襲してくれて良かったよ」
……
どうやら、アイリーン達はかなり悪いイメージを受けているようだ
「そういえば罠を仕掛けた人、イポス族でしょ、何で知ってんだ?」
少し警戒の入った声で小僧が言う
「……」
少し躊躇ってから、言った
「相棒だったからだ」
「ァ”……へぇ……あーー……その、悪いな、あっ!墓とか……手を合わせるよ!」
気まずそうに目を逸らしている
「私は馬だぞ、墓を上手く作れない、馬だけにな」
手を合わせる……向こうの習慣か?
「……そ、そう」
てか私の渾身のギャグは華麗に無視されてしまった……アイリーンが死んでると勘違いされてるな、私の言い方が悪いだけだが
「貴方達手伝ってよ!」
慌ただしげに女が言う
「ゴメン!ゴメッ」
加勢に入ろうとさて女に近づく、だが何かに躓いたのか金髪の男はドサッと倒れる
「……ナニ……ギャァッ!!」
「何騒いでキャッ!」
「……うわぁー」
視線の先には枯れ果てた木のように硬くなり、恐らく前より小さくなった人間、見た目で言えばほぼミイラである
「ッ」
この人達は何故これがこうなっているのか知らないのか……まぁ少しは説明しても良いか
「カクを取られたからだぞ」
「……カク?」
「北の国が取って来ただろう、あの馬鹿共がな」
「あの光ってるヤツか……え?」
「……カクは魔力の塊だ、主が居ないにも関わらず他の魔力を吸わない、逆に魔力を与える存在、あれが無いと森が枯れるぞ」
「……へーー」
小僧はカクが無くなった影響か、はたまた何かを思い出したのか少し顔色を悪くしている
「ま、まさかだけど……そのカクが無くなって……森は人間の魔力を吸収したってこと?」
「そうだ、実に腹立たしい事だが死臭もしなければ菌が大量発生しなかったのは良かったな、下手したら皆赤子が死んでただろう」
「……そう」
「……」
何故かその後は無言だった、だがサトウ?と水を混ぜた物は物凄く栄養が豊富らしい、赤子は早い者で元気にハイハイしていた
「本当に助かった」
お礼に干し肉でもやるか
「……えぇ……その、その赤子はどうするのかしら?死体が20人、そのうち生きていたのが5人……」
「……」
「悪い、考えていなかった」
とりあえず生かそうと思ったがそれ以降は考えていなかった
「考えていなかったの?……まぁ私が育てるわ、事が収まるまで」
「!本当か!」
「なぁっ!?」
金髪の男が目を見開く
「良いじゃない、そもそも5年くらい恵まれなかったんだから、5年よ?5人くらい容易いでしょう?」
「なぁっ!」
反応を見るにこの2人は夫婦の様だ
「……お盛んなことでボソッ」
「……」
コメント
1件
ああ、第9話読ませていただきました……!もう最初の「乳をくれ」で息を呑みましたよ。ゾーイのどこかズレた感覚と、仲間たちとの温度差が絶妙で、笑えるのに切ない。特に「私は馬だぞ、墓を上手く作れない、馬だけにな」って渾身のギャグが華麗にスルーされるところ、ゾーイらしくて好きです。赤子を救う場面も、女騎士さんたちのリアクションが生々しくて引き込まれました。カクの謎も気になるし、次が待ち遠しいです!