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「お前何してんの?」 その言葉から始まった物語。
強風が吹いている学校の屋上。
そこに私と“彼”がいた
私は屋上の柵を登り“下”を見ていた。
「飛び降りる気か?」
彼が問う。
私はそれを答えずに微笑む。
それが答えだと言うように。
「正気か?」
もう一度微笑む。
私はその答えを肯定する。
「そうか」
「なら最後に“旅”をしないか?」
「……旅?」
私は初めて言葉を発する。
「どうせ死ぬならもっといいところで死なないか?」
「俺と“一緒に”」
一緒に
一緒に
「一緒に?」
「ああ一緒に」
「一緒にどこか遠い場所で…誰もいない場所で……」
「二人で死なないか?」
二人
二人
「二人で?」
「あぁ二人で」
彼は私に手を差し出す。
「一緒に……二人だけの世界にいかないか?」
死に誘われるのは初めてだ。
イッショニフタリダケノセカイニイカナイカ
行きたい。
私は彼の手をとり柵から降りた。
ここから始まっていく物語。
題名は『夏と君』
終