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「大丈夫!?」桜木さんが大きな声を出す。そりゃそうだろう。私の顔は今、目から涙が溢れていて、顔がぐしゃぐしゃになってるはずだ。そんなだったら心配するだろう。私はわざと平気そうに「大丈夫」と笑ってみせた。
心配されるのは、苦手だ。友達がたくさん出来たり、楽しい事もたくさんあるけれど、人気者は好きじゃない。皆に対応するから、自由な時間がどんどん失われていく。でも、桜木さんはそんな事はなかった。私は桜木さんに憧れていった。1人、それは、覚悟、勇気をもった人だけができる事。そんな事を思った私は、桜木さんに片想いしている感覚だった。彼女と話したい、仲良くなりたい、友達になりたい、でも、桜木さんのような覚悟と勇気がない私には無理だった。
そして、登校初日、聞き覚えのある声が私を呼んだ。「あの…」なんと、桜木さんだったのだ。私は焦る。ど、どうしよ、あ、もしかして、桜木さん、中学一緒の私に気づいたのかな?そんな考えはもちろん当たらず、彼女が話しかけてきた理由は、落とし物だった。どうやら、私がハンカチを落として、拾ってくれたらしい。やはり勇気があるな…。と考えていたのはずっと秘密にしておこう。
そんな訳で、私は惚れてしまったのだ。勇者のような私の天使。タイムのような可愛いらしい笑顔を咲かせる彼女にー。