テラーノベル
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〘 👑視点 〙
少し軽くなった足取りで、いつもの花園へと向かう。
花に囲まれたトンネルを潜り、中央の椅子へと腰をかける。
ーーこの時、🍵くんが居ないのは普通だった。
彼はいつも、遅れてやってくる。
理由は知らないが、追求するつもりはない。
👑(今日もいい天気やなぁ〜)
頬にあたる優しい風。
快晴な澄んだ空。
包み込むかのように暖かい日差し。
この風景も、 いつも通りの風景も、
いつ壊れるか、分からない。
普通はそんなこと、考えないかもしれない。
けれど俺は、考えてしまう。
当たり前の日常が、壊れてしまうのを幾つも見てきて、経験してきた。
👑(このいつも通りもいつまで続くんやろ……)
その考えは、 諦めか、期待か。
どちらの考えも、ピッタリの言葉。とは思えなかった。
数十分、数時間待ち続けるも、彼は来ない。
ただ、朝と変わらない景色が広がっているだけ。
👑(……何かあったんかな、)
心の中が、ただポッカリと空いたような気分だった。
いつも通りがまた───壊れた。
👑(けど…、大丈夫。)
👑(まだ、壊れてない……よな、)
朝、陽の光を受けて眩しく、美しく咲き誇るように見えた花々。
そんな花々は、いつの間にかその色がどこかくすんで見えた。
風邪が運んでいた、心が晴れるような香りも、いつの間にか消えている。
───不安が重なる。
“いつも通りじゃない雰囲気”が周りに漂う。
感じた時、足がズンッ、と重くなったような気さえした。
そんな雰囲気が嫌で、逃げ出そうとかけていたベンチから腰を上げようとする。
ーーけれど、足は固定されたように動かない。
綺麗だと思えた花園。
居場所だと思えた花園。
そのどれもが、今では嘘だ。
嘘のように、俺を闇へと引きずり下ろす花園になっているようだ。
そんな花園にならなかったのは、彼のおかげなんだろう。
ふと、そう思った。
軽くなっていたはずの心は、一瞬にして雲がかかり、黒く淀んだ心になる。
👑「笑って、吹き飛ばしてくれへんかな…」(苦笑
いつもしなやかに出せる笑顔は、引きつっているようで、痛かった。
🍵「👑ーちゃん!」(👑に抱着
👑「んわっ、!?🍵くん!?」
🍵「……どしたの。辛そうな顔してたよ~?」
🍵「…👑ちゃんの笑ってる顔は好きだけど……」
🍵「👑ちゃんの辛そうな笑顔は嫌いだなぁ…(笑)」
👑「ッ、!」(ポロポロ
🍵「あら、?(笑)」
🍵「ほーら、泣かない泣かない〜」(👑の頬 摘
👑「んんぅ……っ、やめへぇよ、w」
🍵「んへw、ごめんね〜w」
黒く淀んだはずの心は、一気にパッと晴れる。
我慢していたはずの涙も少しこぼれた。
───やっぱり彼は、人を笑顔にできる魔法でも持ってるのかもしれない。
🍵「……zzZ」
👑「………w」
ーーそんな魔法を持つ彼は、今では俺の膝の上に頭を乗せて寝ている。
そんな光景を見てると少し微笑ましくなる。
ソッ、と髪を手で撫でる。
すると、彼は言葉を零して起きたかなっと動揺するが、相変わらず気持ちよさそうに寝ていた。
ホッ、と安堵する。
👑「……、?」
彼の前髪を分けると、縫い合わせたように思える大きな傷が彼の額にあった。
👑(痛そうやな……、)
その傷は、いつも笑顔の彼の裏側のように感じた。
傷の方は微かに見覚えのあったものだった。
───けれど、初めて見た彼の寝顔はどこか、見覚えがあった。
……うる覚えとかじゃない。
絶対に、見た事のある懐かしい寝顔だった。
👑(……なぁ、貴方は、何を隠しとん、)
🍵「…………zzZ」
静かにたてた寝息は、風によって揺れた花々の音に掻き消された__。
7話 魔法と貴方の秘密 _ 𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡
コメント
4件
🍵くんと👑ちゃんの関係って、昔の友達とか、親族とか、仲のいい関係だったのかな..... 👑ちゃんが不幸体質だから2人とも交通事故にあっちゃって、助かったけど記憶が消えちゃったとか....?
翠くんが何を隠しているか気になりすぎます🫣