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君に恋したのはいつだったか。
君を好きになったのはいつだったか。
そんな事覚えてもないな、
なんにも覚えていない。
だって、もう君は僕の隣にいる。
僕の隣で泣いて。
僕の隣で好きとつぶやく。
僕も好きだよって囁くと
君は嬉しそうに涙を流しながら笑う。
それだけで、もうじゅうぶんなんだ。
なのに。なのに。
どうして目を合わせてくれないの。
僕何かしたかな。
突然嫌われるようなこと。
近くから声がした。
近所の人の声だった。
「あの奥様、旦那さんを亡くしたそうね。」
「あら…。お気の毒ね。まだ若くてお幸せそうだったのに…辛いでしょうね」
あ…そうか。
そうか。思い出した…。
僕は死んだんだ…
君に何も出来ずに…
ちゃんと幸せにしてあげられないまま…
死んでしまったんだ。
あぁ…そっか。
だから、君には見えないのか…
ごめんな…。
僕はそう呟いてそっと君を抱きしめた。
触れることは出来ないけれど…
声は聞こえないけれど…
たくさん好きとつぶやいて君の頭を撫でた。
幸せに…なってくれよな。
そう聞こえた気がした。
彼の声が…
彼に触れられたような気がした…。
ありがとう…だいすき…
私は大粒の涙を流しながら心の中でそうつぶやいた。
ーENDー