pe「………………え?」
俺は急に振られた質問に
すぐに対応することが出来なかった。
tr「…あーそういや、今日の朝言ってたな、ぺいんと。昨日夜中に電話来たーって。」
sn「そうそう!夜中バカ叫んでましたもん!起こされましたよ僕!!」
cn「…そうなんですか?ぺいんとさん。」
pe「いやまぁ…電話した、ね。」
俺はオドオドと答える。
re「…………何を話したんですか?」
その瞬間、空気が変わった気がした。
pe「………え、あ、その…」
re「らっだぁと、何話したんですか?らっだぁに何もしてませんよね?らっだぁと何か、企んでたりしてないですよね?」
md「…ラッダァノコト、ゼンブハケ。」
pe「いや、あの、らっだぁと話したというか、俺もよく分かってなくて…!」
その時、バンッと応接室の扉が開かれた。
kyo「門番に聞いてきたで!ただ、昨日の夜中は誰も見とらん…って……」
きょーさんが、不穏な空気が漂う室内に、
不思議と困惑で顔をしかめる。
kyo「なんや、なんかあったんか?」
cn「…あ、きょーさん。」
コンタミさんの圧のある顔をみて
きょーさんは少し怯える。
しかし、
cn「実は、昨日の夜にぺいんとさんがらっだぁと電話してたらしくて ……」
kyo「…………………!」
刹那、きょーさんが消えた。
どこに行ったのかと思えば、
きょーさんはいつの間にか、俺の前にいた。
胸ぐらを強く掴まれる。
pe「っう”………!」
声にならないうめき声が、喉から溢れる。
kyo「…何話したんや。」
きょーさんが、再び声を低くする。
kyo「なんで、言わんかってん。なんですぐ言わんねん。お前…あいつと何話したんや。」
pe「…っ、伝える、時間なんて…なかっ…!」
kyo「らっだぁに何もしとらんやろうなぁ?!」
きょーさんの怒鳴り声に、
俺はただ体を縮こませることしかできない。
その迫力のある目の奥には、
厚い情が見えたような気がした。
しかしきょーさんは、いや、
運営国の幹部は全員、
自身の怒りを抑えきれていない。
俺があたふたしていると、
sn「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!」
しにがみ君が声をあげた。
kyo「あ”?!」
きょーさんが睨むが、
しにがみ君も怯まない。
sn「あの…とりあえず、ぺいんとさんの話、聞きませんか?様子見る限り、なにかを企んで電話したようには思えなくて…」
tr「そーですよ。冷静にならないと、また振り出しに戻っちゃいますよ?」
しにがみ君とトラゾーが、
きょーさんにそっと詰め寄る。
kr「…仲間に手を出されるのも、いい気にはなりませんしね。」
そして後ろから来るクロノアさんの圧により
きょーさんが少し怖気付く。
kyo「…っ、すんませんっした……」
きょーさんは、すっと俺から手を離す。
俺がむせていると、しにがみ君が
背中をさすってくれた。
pe「…っ、ごほっ…っはぁ……」
sn「大丈夫ですか、ぺいんとさん?」
pe「…あぁ…大丈夫、大丈夫……」
tr「どんだけ強く締められてたんだよ…」
しかし、きょーさんも手を離しただけで
黙ってはいない。
俺を穴が空きそうなほど強く見つめる。
きょーさんだけではない。
全員の目線が、俺に向いている。
kyo「…で?何話したんや。」
俺はそれに、真剣な眼差しで返した。
pe「……もちろん、話します。」
kyo「…………なるほどなぁ?」
一通り俺が話し終わったあと、
みんながみんな頭をひねらす。
sn「つまり、らっだぁさんは何かに耐えられなくなったからここを出ていって、約束の場所?に集合しろと言われたと…」
pe「もーまじで意味わかんねぇ…!」
re「多分その、”約束した場所”を思い出せればいい感じに解決しそうだね…」
俺らは全員で頭を抱える。
cn「本当に、なにも覚えてないんですか?」
pe「うーん、なんというか…実は俺、幼かった頃の記憶がほとんど無いんすよね…」
tr「…え、それほんとの話?」
md「キオクソウシツ?」
pe「いや、まぁ症状としては近いかもだけど…なんか、うーん………」
俺は一生懸命思い出そうと頭を捻るが、
今の状況であっても
記憶を取り戻すことは無かった。
kr「不思議な出来事もあるもんですね…」
kyo「…ぺんさん、急に疑って手ぇ出したりして、ほんますんません!」
pe「え?あ、いやいや!俺も伝えてなかった非はありますし…!」
深々と謝るきょーさんに、
俺は慌てて首を振る。
その時、きょーさんは急になにかを
思い出したかのようにはっと顔を上げ、
運営国の面々を見やる。
kyo「そういや、さっきの話聞いて思ってんけどさ…」
kyo「なんからっだぁ、一週間くらい前から妙に様子おかしなかった?」
その言葉に、 コンタミさんは、あぁー、
と共感の 声を漏らした。
緑くんとレウさんも、うんうんと
顔を縦に振っている。
cn「確かに…ずっと調子、悪そうだったよね。」
md「ラッダァ…ナンカクルシンデタ。」
re「体調が悪そうというか、なんというか…なにかを抑え込んでる?感じだったよね。」
kyo「そうそう。急に頭とか腹とか腕とか変なとこ抑えだしたり、何故か息切れてたり…」
cn「ただ、らっだぁずっと大丈夫、大丈夫って…」
md「ソウダネ…」
すると、きょーさんがダンッと
机を強く叩いた。
kyo「くそっ…!そん時かららっだぁおかしいなって、少しでも疑えばよかったんに…!! 」
re「そうだね…みんな気付くほど、様子おかしかったんだもんね…」
md「ラッダァ………」
運営国は、ずっと落ち込んだままだった。
どうにかして、このムードを
明るいものに戻したい。
あの運営国が暗いなんて、
思いたくもないから。
その時、しにがみ君が自身の腕時計を
見やり、あっと声を上げた。
sn「やば、もう9時だ……」
pe「……………え、もうそんな時間?」
いつの間にか経ちすぎていた時間に
俺らは少しあたふたする。
tr「今から帰ったら…早くて0時くらいか?」
kr「いや…さすがに統領として、その時間帯は出歩きたくないな……」
sn「えぇ…それじゃあどうするんですか…?」
pe「野宿か?」
tr「いやもっとダメだろ。」
俺らが悩んでいると、
コンタミさんが、それなら、と
俺たちに優しく笑いかけた。
cn「もし良かったら、ここに泊まっていきませんか?」
pe「…え、いいんですか?!」
cn「はい、もちろんです。服等はこちらでお貸しする形になってしまいますが…」
sn「泊めてもらえるだけで充分嬉しいですよ!ありがとうございますほんとに!」
kyo「その代わり、少しでもらっだぁの捜索手伝ってくれや?」
kr「それは言われなくとも、もちろんですよ。」
俺らが何度も頭を下げていると、
トラゾーが、じゃあ、と声を上げた。
tr「俺は国に帰るわ。」
re「え?泊まっていかないんですか?」
tr「いや、さすがに統領も幹部も一人もいないのはまずいと思うんで…」
tr「それに俺なら、レジ袋さえ外してしまえばトラゾーだってバレないでしょうし。」
pa「トラゾーは演技も上手いしな!」
俺は鼻高々にそう言う。
すると、運営国全員が感心の目で
俺らを見つめる。
md「…チャントシテルナ…」
re「ねぇ…俺らとは、特にらっだぁとは大違いだ…」
kyo「国ほっぽって、勝手にどっか行くくらいやしなぁ。」
cn「ほんとにねぇ…幹部も統領もしっかりしてるとは…見習わなくちゃだね。」
その会話を聞いて、しにがみ君が
ふふんとドヤりながら、トラゾーの肩を
ポンポンと叩く。
sn「うちのトラゾーは凄いんですからね!」
俺らは、みんなで笑いあった。
そんなこんなで、
トラゾーが応接室を出ていった頃。
きょーさんが、よし、と立ち上がった。
kyo「そんじゃ、泊まれそうな部屋とか服とか、探してきますわ。」
cn「じゃあ俺は夕飯頼んでくる。話してて食べるの忘れてたし。」
re「俺はぺいんとさん達と待ってるよ。部屋とご飯用意出来たら教えて。」
md「オレハラッダァサガス。」
kyo「………そうか。」
そしてその後の運営国の対応により、
俺らは有意義に寝るまでの時間を過ごした。
cn「ぺいんとさんの部屋はここです、どうぞ。」
pe「ありがとうございます。」
コンタミさんが開けてくれた部屋に、
俺は静かに入る。
cn「…本日はすいません。急に呼び出した上、無礼ばかり…」
pe「いやいや、気にしないでくださいって!…らっだぁのことで落ち込んでいるのは、あなた方だけではありませんので。」
cn「…ありがとうございます。」
コンタミさんは、ニコリと微笑んだ。
しかし、どこか疲れが見える。
cn「…今日はゆっくり休んでください。明日、またらっだぁの捜索が始まるでしょうし。」
pe「分かりました。…おやすみなさい。」
cn「おやすみなさい。」
コンタミさんは、そっと扉を閉めた。
その夜、俺は夢を見た。
コメント
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ねえ夢って何?!気になるあああ
…確かにtrさん分からん…()