「いえーい!ねぇねぇミカちゃん!一緒に写真とろー!」
「これほんとに奢りだよね?私お金ないから払えないけど」
「うめえ、やっぱ奢りだよな」
「ねえ、もう1個ハラミ頼んでいい?」
「食べ過ぎはよくないわよ〜、それでもう6個目でしょ?」
「いいじゃん奢りなんだし」
「ミカちゃーん!いえーい!」
「うぇ…ちょっと気持ち悪くなってきた…オレトイレ行ってくるわ…」
「ネビュラのバカ。」
焼肉なんて贅沢だ、なんて思うかもしれないが、私たちの精神的ダメージを防ぐ為にも必要なんだ。
魔法少女がいなくなった暁には世界はなくなっているだろう。
だからこそ私は痛い出費も平気なのだ。
…絶対にあの頃のようにはさせない、絶対に
「ミカ、生きてる?ミカ!生きてんなら早く逃げるよ!アンタこんなとこいたら死ぬよ!?」
凛先輩の声で目が覚めた。私の体を揺らして、目を大きく開いて。
「…り、凛先輩!?なにがあったんですか!?」
「説明はあと!早く!」
凛先輩が私を引っ張る。気を失っていたのか、ここでのことは何も覚えていない。
きっとこの時何があったか聞いても、凛先輩は答えてくれないだろう。
「…え?な、なんで…なんで街がこんなになってるの…?」
「……もう誰のことも気にとめないで。」
下を向く凛先輩はいつもよりずっと苦しんでいた。
「なんで!?戦おうよ!街のみんなが苦しんでる!たくさんの人が死んでるかもしれない!」
「みんな死んだよ!私たちの仲間も!残ってるのは私たちだけ!」
「…嘘だ!嘘つかないで!みんなが死んで私が生きられるわけが無い!」
思わず声を上げた、そんなこと信じられるわけが無い。
「アンタが生きられたのはただのビギナーズラック!もうこれ以上の幸運は降ってこない!
…私ひとりで戦う。アンタはなんもしないで。」
凛先輩の鋭い視線が私を突き刺す。
「待って…!凛先輩!行かないで!」
凛先輩が私から遠のいてく、霧の中に消えていく。
「…」
荒廃した街、市民の死体、降り注ぐ雨。
あなたが背負ったもの重さはあなたを圧迫させるかもしれない。凛先輩。
それでも戦う。どうして、どうしてあなたはここまでのことが出来るのだろうか。
あなたは今の自分を鏡で見た時、何を思うのだろうか。
腹を割って話すと、私は、レリーフマジカルでも魔法少女の中でもいちばん弱い、運だけで生きている。
戦力外の私を凛先輩は助けてくれた。
それほど失うことの辛さがあなたは誰よりもわかっている。
凛先輩はあの出来事で1層優しくなった、私たちに話すようになった。
誰も失わせたくなかったんだ。
私は誰よりも理解している。あなたを
私はあなたが大好きだから、凛先輩。
__「ミカ、ミカ!ねえ!」
「! あぁ…凛先輩!どうしたんですか?」
凛先輩が声をあげるから驚いた。
「アンタ大丈夫?三玖が大量に食べたから値段がヤバいことになってる。」
「え、え?」
ぼーっとしていた私に凛先輩が注文用のタブレットを見せてきた。合計金額のところを見てみると、そこには驚愕5万円が書かれていた。
「ご、5万円!?!?」
「え?奢りなんでしょ?」
「奢りだけど……まぁ、いいよ!私は先輩だから!!」
考え事するのもよくない。こうなるからだ。
私は震えた手で店員に5万円を手渡した。
「もう焼肉はやめよう…」
だがこれでみんなのメンタルが回復すればいいことだ!
さて、明日も頑張ろう!!
予告
「凛先輩…?」
ズレる鼓動、
「ごめんなさい。」
あの日の過ち、
「大丈夫だよ…凛先輩…大丈夫大丈夫、大丈夫だよ。」
過度な愛情、
「ミカ、私が魔法少女になった理由は___」
信頼の重み、
「アンタを死なせないためだよ。」
溢れる涙。
episode 5 「ふたりyou & me」
コメント
4件
出版社に持っていって、どゔぞ
神かよ………(泣)予告神かよ………(泣)エグいんだか……(泣)