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「…煌?え、待って煌!?」
最初は送り主の名前を理解できなかった。
なんせ約一ヶ月ずっと音信不通だったのだから。
急いで電話に出る。
「煌!?今まどこにいるの!?」
ずっと煌の声が聞けていなかったことと、皆が煌を覚えていないという
異常事態もあいまって、つい声が大きくなってしまう。
『落ち着いて希美。』
煌の声はいつも通りの優しい、暖かい声だ。
その声にいつもの煌だ、と少し安心する。
「っ、うん、ごめん。ちょっと色々あって。」
『そう。』
やっぱり、煌の声は安心する。
ただ、電話で声がよく聞こえるからかわからないが、この声、誰かに似ている気がする。
もう少しでわかりそうなのに、まるで頭に靄がかかっているようだ。
「それで、どこにいるの?」
『最初に希美と話しをした公園の丘。できれば来て。なるべく早くー。』
「…わかった。」
そう言って電話を切る。
煌はきっと独り言を言ったつもりなんだろうけど、電話はその言葉を拾っていた。
『ーじゃないと消えちゃうから(ボソっ』
「煌…なんで、なんでなにもいわないの。なんでみんな一人いなくなろうとするの?」
私に何も言わずに消えていこうとする煌に、学校に行くと言って一人で
天国にいってしまった弟の姿がどうしても浮かび上がってくる。
今回は短めです!多分次で最終回です。
いつもハートありがとうございます!