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すいなーん所の
『ちみどろぶらっくはーと』 参加キャラ
ルティア・ナーシサスちゃんの過去のお話です
割と長いので注意。
“愛されたかった”
過去を一言で言えば、それが出る。
僕は、そこそこ裕福なお家に生まれた。
衣食住も問題なし。
大体の物も高水準。
まぁ、世間的に見れば良い生活やった。
一つ、愛されなかった事以外は。
母は僕を産んで死んだ。
兄弟・姉妹も居なく、
残ったのは父だけやったけど、
どうやら父は、僕らには
興味が一ミリも無かったらしい。
物心づいた頃には、
父とは碌に合わない生活をしていた。
父は、僕が起きる前に家を出て、
寝た後に帰ってくる。
頑張って父が出る時に起きて、
話しかけた事もあったけど、
ぜーんぶ無視。
何度かは挑戦してたけど、
直ぐに無理だって理解してやめてった。
それでも、愛されていないのは、
“僕”を見られていないのは辛くて。
ずっと、
心がぽっかり空いているような感覚で。
何とかしてそれを埋めたくて、
近くにあった本を手に取った。
どうやら、僕は人一倍
記憶力も頭もよかったみたいで。
最初は絵本から始まって、物語小説、 論文、
果てやただ情報が綴られたような本まで、
いっぱい、いっぱい読んで、覚えていった。
心がうまる事は無かったけど、
新しい情報を知るのは楽しかったし、
時間を忘れて没頭できた。
唯一の心が休まる時間だった。
そうして書庫や図書館に籠るようになって、
より一層距離は離れてった。
学校へ行く年になってからも、
大して生活は変わらなかった。
情報を得る相手が増えたくらい。
結構なお金持ち校にいったから、
新しい情報を得れやすくて楽やった。
ある日、帰ってきたら
使用人が異様に騒いでて。
話を聞くと、進めていた仕事が失敗した為
新しい事業を始めなきゃいけないらしかった。
ふと、クラスメイトの会話を思い出した。
「…今は__が流行ってるらしいけど」
「有名な割にやってるとこ少ないらしーし、
結構ええんやないの」
きまぐれでそう言うと、
使用人達は慌ただしく去っていった。
一週間後、家を出ようとすると
使用人が僕の所に駆け寄ってきた。
どうやら、僕の言う奴を試してみたら
結構良い結果が出たらしい。
「旦那様も大変喜んでおられて…!」
「今後も良さそうな情報があったら
伝えて欲しい、との事です!」
「…父さんが?」
嬉しかった。
初めて必要とされたみたいで。
それからは一層情報集めに邁進してった。
本で学んだ心理学を使って、
自分を隠して、
いっぱい、いっぱい集めてった。
良さそうな情報があれば、
使用人に話して試してもらって。
褒めて欲しくて。
父さんに、「お前が必要だ」って、
言って欲しくて。
…結局、こんな事は
起きずにそんな日常は終わった。
「遅なってしまったなぁ」
その日はちょっと遠くに行っていて、
帰った頃には日が傾いていた。
近づくも何だか薄暗い家を見て、
嫌な予感がした。
いつもなら使用人が出迎えてくれる玄関には、
誰もいなくて。
リビングに進むと、
黒いスーツを着た人が一人座っていた。
「…誰、ですか?」
そう声をかけると、
その人は振り返って僕を見る。
「…、?」
「あぁ失礼。
ルティア・ナーシサス様ですか?」
「…そうやけど」
正味、薄々予想はついていた。
…そうであって欲しく無かった。
「私はルティア様を連れて行く役割を
持ちました者でございます」
「…連れて行く、て」
「お聞きしていませんか?」
「貴方のお父様、地位の代わりに
この家宅と貴方を売られたのですよ」
…。
…聞きたなかったなぁ
つまり。僕は、
立場よりどうでもいいものだったって事や。
せめて、無理やり連れ去られたんなら。
父さんも心配してるかもしれない、って
妄想に浸れたんになぁ。
「…僕はどうなるんですか?」
「本来ならば奴隷…と言いたい所ですが」
「その才能を見込んで、スカウトです」
「…スカウト?」
そうして、僕はここに来た。
今となっては、幸運やったと思っとる。
ここなら、僕の事も
当然として受け入れてくれるから。
「…ルティアちゃん?」
「どうかしたの?」
「…何もないで〜、メイ」
「マリンに何聞こかな〜って」
「ブレないねぇ」
あぁ、ほんと、 居心地がいい。
「…何話してるん〜?」
「聞きつけるの早いな」
「流石ルティアだね」
「僕の察知能力舐めんなよ〜!」
衝動書き。
書いてたらバカ重くなった。
ちなみに結局父は没落しました。
ルティアも情報として知ってはいるけど、
今は他に大切な人が
出来たので特に何も思ってません。
満足!!
では、バイ主〜
コメント
4件
大変!!!!良!!!!!!!!!