いつも通りの朝を迎えた太輔。
今日は1羽の鳩と過ごすことになるだろう。
そう感じていた。
件の鳩は声を掛けると、
いつも太輔と戯れていた窓から部屋へ入り、
奥の部屋へ飛んでいった。
奥の部屋は和室で、
普段物置き部屋になっている。
乱雑に物が置かれている訳ではないが、
使っていないので整理がされている訳でもない。
1羽の鳩がその和室へ入った途端
和室の襖がバタンと音を立て閉まった。
奥から声がする。
「あっ、あぁ、どうしましょう。。
ついにあの方のお屋敷にお邪魔してしまいました。。」
と聞こえると少し襖が開き、
その少しの隙間から誰かが覗いている。
「あのー、鳩さん?出てきて貰えませんか?」
と声を掛けると1人の女性が和室から出てきた。
年齢で言えば太輔と同じくらいに見える。
「やはりあなたは普通の鳩さんではありませんね?」
そう訪ねてみるとその女性が話し始めた。
「すみません、、ご迷惑でしたよね。。」
「私、鳩一族の鳩子と申します、、」
「貴方様をお見掛けしてからというもの
貴方の事ばかり気になってしまい毎日貴方の夢にお邪魔させて頂いておりました。」
「やはり鳩さんでしたか。」
「鳩子さん質問致します。」
「なぜ私に朝を繰り返す夢を見させたのでしょうか?」
と問うと鳩子は言った。
「貴方様が朝起きてから窓辺で過ごしている姿が格好良く見えて、
夢の中なら良いのでは?と思い夢で貴方様を眺めさせて頂きました。」
と顔を赤らめた。
この男、太輔。
色白で顔立ちが中々に綺麗で良い男だと言うのも改めて紹介しよう。
きっと先祖代々色白美男子なのだろう。
羨ましい限りだ。
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