ぷわ
病んでる
ドッペルゲンガー?
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鏡の前には、ぐちゃぐちゃな顔の俺。
髪はボサボサになり、涙が流れた跡が残り、目は赤く充血している。
誰にも見せたくない。
見せてしまえばNo.1ホストとは言えなくなってしまう。
こんな醜い姿…。
こんな醜くて弱そうな顔、自分の姿に吐き気を促される。
自分なんて、本当は誰にも必要とされていなくて、ただ暇潰し程度の存在だと思われているだろうし、別に生きて居ても、生きていなくても、変わらない。
どうせ、誰にも必要とされていない。
もう一度鏡を見て、自分を笑って、貶してやろう。そう思い顔を上げ、鏡を見る。
が、違う。鏡には、微笑む俺が写っていた。
違う違う。こんなに俺は綺麗じゃない。もっと汚く、醜くて。こんなの俺じゃない。
「きっと疲れてるんや、まともに食事してへんから」
きっとこれはただの幻影に過ぎない。きっと、疲れて変なものを見ているだけだ。そう思い込ませる。
俺なんて、こんなに綺麗で、誰からも好かれるような容姿をしていない。
『湊、俺やって。同じ俺。』
違う。きっと疲れているからや。
『反応してくれへんの?』
俺はこんなにキラキラしてへん。
『なぁ、俺。無視するん?』
頭が勝手に見せている夢に過ぎない。自分の憧れる人物像が俺の姿になっているだけで。
俺も、あの俺も、醜い。あんなに貼り付けた笑顔なはずない。俺じゃない。
『おーい、俺。手伸ばしてみ?』
違う。俺は偽物なんだ。向こうの俺が本物。向こうが本物なら、俺もああなれる。
みんなにもっと囲まれるような俺が。好かれるような俺が。俺は、あいつで、俺は偽物。
では、俺は誰?ここは何処なのだろう。彼奴が本物なら、今思考を巡らせ、絶望したり、喜んでいた事のある自分は?
そもそも自分とは何なのだろうか。あいつの創造物?虚像?偽物?
あれ、わからない。おれって、だれなんやろ。
『ほら、手伸ばしてみ?』
手を伸ばす。俺を見ると、考えていた事が消え、ただ彼奴になりたい。俺になって、俺という存在を消してしまいたい。
意識は無いが、体はそうする。彼奴になり、彼奴という存在と、俺を交換したい。容姿も、中身も、全部。
彼奴が微笑む。貼り付けたような不気味で、可笑しくて、怖くて、吸い込まれてしまいそうな目で見つめられ、体が震える。
『ほら、俺と交換こしたいんやろ?』
やめて、かがみからでてこないで。交換して欲しい。おれなんていらん。俺を認めて欲しい。おれのままでいる。お前になりたい。おまえなんていらない。俺なんていらない。しんでしまえ。俺なんか死んでしまえ。
貼り付けた笑顔に吸い込まれ、視界が真っ黒に染る。
いやだ、あいつになりたくない。成らせて。あいつなんていらない。そんな事言うな。あいつなんてしんでしまえばいい。お前がしんでしまえばいい。じぶんひとりでじゅうぶん。俺がいないとお前は何も出来ないから。ひとりでもいきていける、でてこないで。二重人格でも、俺はちゃんと意識持っとるし、お前が二重人格の出てきた俺やろ。
うるさい、うるさい、うるさい、うるさい。
俺一人で事足りる。お前はしばらく寝とって。俺だけで十分。お前なんて誰にも必要とされてない。ひつようとされて、。はいはい、分かりましたよ。必要とされてるからこそ、1回寝よな?俺に体を任せとけばええんよ。な?
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