テラーノベル
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… ともさんの様子が変だ
「 ともサーン ? 」
離れてろと言われたものの、 動け… なくね ?
「 ともさん … ? 」
「 赤髪のとも 〜 ? 」
ダイヤモンドの様に 光り輝くその目を ギロリと向けられる 。
今にでも赤に染まりそうだ 。
「 ともサ … 」
痛い … ?
「 ぐちつぼ、 血が … ! 」
「 ア” … ? 」
腕に深々とナイフが 刺さっている よく見ると小さい針も刺さっている 。
なんの 針か … ?
「 ッ” … がは ッ … 」
「 げほ”ッ … 」
吐血作用 … 毒か ?
「 ぐちつぼ ! 大丈夫か … ?! 」
まぁ強めらしい 。 目眩や 吐き気が催すようだ 。
らっだぁの呼びかけに 小さく首を横に振る 。
「 は、 早くあの人来ないかな … ッ 」
とぅーんは相変わらずパニクっている 。
《 おいッ ! 》
扉をほぼ破る形で開け、叫ぶ 。
《 遅れてすまんッ… ! 》
「 おい、どういうことだよッ” !! 」
ほぼ逆ギレをし、流れに任せ、とぅーんが言う 。
《 今は状況を説明できない。 まずは… そこの君からだな 》
そう言い、俺に近寄ってくる 。
息は荒い 。 毒が盛られているな… 解毒剤は… 彼しか持っていないだろうな…
俺の部屋にあるにはあるが、 今から取りに行くと命に関わる危険がある。 いくらスパイ同士だからって、こちらから誘ったんだ。 死なせるわけにはいかない。
よく見ると、目にほぼ光は無く、 頑張って限界まで持ち堪えているようだ。 普通ならもう気絶か死に至っている所だろうが、 強いな 。
《 … くそッ 》
《 タイムリミットは無いに等しい… なら、 彼から取るしか無いッ… 》
彼は私が認めるほど、 強いスパイとなった。 ましてや私より強いと思う。 スパイ活動時は雰囲気が変わる。 私のようにオンオフがはっきりしていないわけでも無い。 仕事と私事を分けている。
天才… とも違う。 『異端児』とでも言おうか。 こんなことを彼に言ったら怒るだろうが、彼はそれほどの才能がある。 私でも既に手に負えない… 私も制御.. いや成長しておくべきだった… 。
《 … 曼珠沙華 》
そう名を呼ぶと くるりとこちらを見る 。
《 解毒剤を 渡してはくれないか 》
… …沈黙が流れる 。
「 ワたセる 分ナイジャないカ 」
やはりな…
《 それじゃあ、 私が君に勝ったら渡してくれるか ? 》
「 貴方ガ俺に勝テればノ話ダケドね 」
《 … あぁ、 望む所だ ッ”… 》
・・・
もう限界だった 。
彼はあまりにも強くなりすぎたんだ 。
気絶しそうなほどに疲れ切り、 怪我もひどい 。
後ろの方からは 声援のような、怒鳴りのような声が聞こえてくるが 薄らと聞こえるだけでほぼ聞こえない 。
《 私の負け… か 》
「 貴方が 俺ニ勝てるワケガ無い 」
「 俺は数秒シタラ このビルヲ爆破スる 」
「 せいぜい最後マダ足掻クんだナ 」
後ろの方で 「 おい”っ! 」 と怒鳴り声が聞こえ、 彼らが私に文句を言おうとするが、 私はそれを止める 。
さぞ不思議に思っているだろうな 。
それでも私は止める 。 この時を狙っていたから 。
彼はその時を待っているのか、 ずっと外を見つめている 。
だが 私に分がある 。 よく周囲を見ることが大切だ 。
私は後ろで今にも 喚きそうな彼らに近づき、 《 失礼するよ 》 と言い、荷物を漁る 。
折り畳み傘を見つけた 。 これは使える 。
もう少し強度が欲しい… 仕方ない、傘の一部分を開けて その他はタオルで何重にも重ねるとしよう。
《 借りていくよ 》 そう言い、 私の得意な工作を始める 。
もちろん、彼らの大切なものであれば 弁償はするさ 。
あらかじめ傘は開いておく 。 そして私は未だに 窓と睨めっこをしている 彼に語りかける
《 昔な、 ある1人の少年が公園に居たんだ 》
そう話し始めると 彼はぴくりと肩を振るわせる 。
《 その少年はな、 ひどく痩せ細って、おまけに自分でしたであろう切り傷が、腕や足に沢山あった 。 》
《 当時の私はそいつを微塵も可哀想だとは思わなかった 》
《 その少年のような子供はもう 見飽きてしまったから 》
《 けど、 少しだけ興味を持った。 話を聞きたくなったんだ 。 》
《 そんな私の都合で、 私はその少年に近づいた 。 》
《 私が声をかけると、 俯いたまま ひどく震えた声で 「 死なせてくれ 」 と呟いた 」
《 驚いたさ。 こんな少年が自ら死を望むなんて 》
《 大抵の子供は 皆「助けて」だの「許して」だの 許しの言葉を並べてはひたすらに嘆くばかりであったから 》
《 私はその少年に興味を持った 》
《「死ぬのはまだ早い。私がお前を生かしてやろう」 そう言い、私はその少年を引き取った 》
《 彼は何も言わぬまま着いて来たさ。 弟子のような気がして私は嬉しかった。 とてもね 》
そこで一度話を切ると、 彼は肩を先ほどよりも振るわせている 。
ゆっくりと近づく 。
そして後ろを向きながらさらに近づく 。
彼の手から滑り落ちた 睡眠剤入りの注射器をキャッチする 。
《 彼はとても綺麗な容態をしていた 》
《 真っ赤な髪と ダイヤモンドのような 青白く透明な目だ 》
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